イッツコム、横浜市の消防団活動の通信環境を整備

 神奈川県横浜市とイッツ・コミュニケーションズ(イッツコム)が締結した「地域広帯域移動無線アクセスシステムの活用に関する協定」(令和4年7月21日締結)に基づき、横浜市はイッツ・コミュニケーションズから地域BWA対応Wi―Fiルーター41基の無償貸与を受け、消防団活動での運用に係る実証事業を実施している。実施期間は令和7年9月30日まで。対象消防団は西、中、南、港南、港北、都筑、戸塚の計7消防団。
 地域BWAとは、地域広帯域移動無線アクセスシステムのことで、2・5GHz帯の周波数の電波を使用し、地域の公共サービスの向上やデジタル・ディバイド(条件不利地域)の解消等、地域の公共の福祉の増進に寄与することを目的とした電気通信業務用の無線システムである。
 今回は、将来の本格運用を目的とし、円滑な消防団活動方法や配置数、配置場所、などの検討を行うため、検証を実施している。
 Wi―Fiルーターの活用例は次の通り。
 ①情報受伝達訓練の実施=大規模災害発生を想定し、通信手段を地域BWAに切り替えたうえで、情報受伝達訓練を実施する。消防団内部の利用に留まらず、地域防災拠点訓練等、外部との連携についても機会を捉えて実施する。
 ②災害時や訓練実施時への持ち出し運用=Wi―Fiルーターを災害場所や訓練実施場所に持ち出し、消防団ワークス・LINEワークス等既存の情報伝達ツールを利用する。
 ③WEB会議の実施=各消防団で行う会議において、Wi―Fiルーターを用いることで積極的にオンライン開催を促し、情報連携と消防団員のコミュニケーションの強靭化を図る。
 ④資料共有=これまで紙ベースで共有されていた資料等をデジタル化し共有する手段としてWi―Fiルーターを用いる。

1月1日付けに掲載

写真は 地域BWA対応 モバイルルーター

この記事を書いた記者

アバター
田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。