レブコムとコムデザインが提供するコンタクトセンター向け通話解析AI、ニトリが導入

 RevComm(レブコム、東京都渋谷区、會田武史代表取締役)が提供する電話解析AI「MiiTel Phone」(ミーテルフォン)とコムデザイン(東京都千代田区、寺尾憲二代表取締役社長)が提供する「CT―e1/SaaS」を組み合わせたコンタクトセンター向け通話解析AIを、ニトリ(北海道札幌市、似鳥昭雄代表取締役会長兼社長)が導入したと発表した。これによりニトリの「コンタクトセンター」プロジェクトを推進する。
 電話解析AI「MiiTel Phone」は、レブコムが提供する、コンタクトセンター業務における会話の内容を解析し、高精度のフィードバックを行う日本発の音声解析AI電話サービス。顧客と担当者が「何を」「どのように」話しているか分からない、というブラックボックス化問題を解消し、コンタクトセンターにおける顧客満足度を向上させる。
 「CT―e1/SaaS」は、コムデザインが提供するクラウド型CTIサービス。低コスト・専用設備不要といったクラウド型サービスのメリットに加えて、機能の網羅性の高さや、導入企業ごとの柔軟なカスタマイズが可能という特長もあり、累計1745テナント3万1000席以上の企業に採用されている。
 ニトリは、〝製造物流IT小売業〟という独自のビジネスモデルのもと、2032年ビジョン達成に向けてITを重要な要素と位置付けている。コンタクトセンターにおいては顧客の問い合わせに対して、24時間・365日(有人対応できない時間帯でも)解決できることを目指している。また、顧客の「自宅からでも相談したい」という要望に応えるために、家具や家電、インテリアコーディネートなどをオンラインからも相談できるサービスを強化している。
 ニトリでは生成AIを活用した「コンタクトセンター」プロジェクトを推進しており、特に電話対応における音声データの活用を強化している。最新技術の活用により、顧客の声や問合せの有効活用およびオペレーターの対応品質を向上させ、顧客の満足度向上を目指している。
 導入した目的は次の通り。
 ▽拡張性があるシステムにリプレイスしながら、コストも削減する▽店舗への申し送りの際のアフターコールワークの削減及びオペレーター間の格差を低減する▽受電オペレーターが数値を基に自身で成長し、顧客の満足度を向上させる▽顧客の問い合わせからQA候補を作成し、無人での対応率を向上させる▽顧客の声、特に製品やサービスの要望を吸い上げ、関連部署に提言する。
 ニトリのコンタクトセンターのシステム概要をみると、電話解析AI「MiiTel Phone」ならびに「CT―e1/SaaS」を利用し、顧客とのコミュニケーションの音声解析及び要約を行う。まず、クラウド型CTIサービス「CT―e1/SaaS」で録音された音声データを、電話解析AI「MiiTel Phone」のIncoming Webhook機能(あらゆる音声データをMiiTelの音声解析AIに取り込む機能)を利用して取り込む。「MiiTel Phone」では通話終了後数十秒で文字起こし、生成AIによる要約文が作成され、Outgoing Webhook機能(MiiTelの音声解析データを他社システムへ送付する機能)を利用してニトリの顧客管理システム「coNnect」へ転送される。有効なキーワードを事前に登録することで、生成AIが「今後取るべき方針」を表示している。
 また、これまでコンタクトセンターで利用してきた機能を継続できることは、今回のプロジェクトにおいて重要なポイントであった。「CT―e1/SaaS」では豊富な運用実績と開発力により、コンタクトセンターの運用に最適化したチャット機能やシートマップを提供し、オペレーター及び管理者の運用をサポートする。
 これにより、これまでの運用で培われた高度なコンタクトセンターの機能ニーズを満たしつつ、最新のAI技術を取り入れる形でシステムの進化を図ることができた。

2月10日付け5面に掲載

この記事を書いた記者

アバター
田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。