イッツコム、横浜と仙台の〝青葉区〟のコミュニティFMが連携

 イッツ・コミュニケーションズ(イッツコム、東京都世田谷区、金井美惠代表取締役社長)は、横浜コミュニティ放送(FMサルース、神奈川県横浜市、奥村力代表取締役社長)を通じて、仙台シティエフエム(RADIO3、宮城県仙台市、今野勝彦代表取締役社長)と、コミュニティFM放送を通じた相互情報連携に取り組む。3月11日には、ラジオコーナーでの連携企画を実施した。街のラジオ局として情報発信を続ける両社が、連携によりコミュニティFMのプレゼンスを相互に高めていく。
 FMサルースはイッツコムが運営するコミュニティFM局。放送エリアは横浜市青葉区。RADIO3は仙台都市圏主要部の人口約140万人をカバーするコミュニティFM局。主な放送エリアは仙台市青葉区。
 東日本大震災から14年。3月11日、RADIO3とFMサルースで相互連携した番組を放送した。
 RADIO3およびFMサルースは、3月11日は、地域と防災を主なテーマにしたスペシャル期間として特別編成を組んで、番組内のコーナー企画などで相互に中継を交えて、防災コンテンツを放送した。
 3月11日、FMサルースのスタッフがRADIO3の生番組「この街と防災」に出演したほか、仙台の街から中継リポートを行うなど、東日本大震災の教訓をこれからにどう活かすか、また、横浜の街でも参考にしていくには―などについて語り合った。 
 なお、この日の番組「この街と防災」は、FMサルースでは3月16日に放送した。
 スペシャル期間の概要は次の通り。
 ▽FMサルース(84・1MHz)=「SDGsスペシャルウィーク 2025春」と題してレギュラー番組や特別番組を通して、地元商店街のSGDsの取り組みや、地域で取り組む災害への備えについて話しあう1週間。(3月10日~16日)。
 ▽RADIO3(76・2MHz)=「この街と25’冬~ラジオと暮らしと防災と~」と題して、公開生放送や近隣の荒町小学校からの出張放送などを行った。実施日は3月11日(火)9時から21時。実施場所はラジオ3(仙台市若林区土樋103番地)。
 RADIO3イベント開催の背景は次の通り。
 日本でコミュニティエフエムが普及したきっかけは、阪神・淡路大震災。「ラジオ3」は、1996年2月21日に、宮城で最初に開局した。東日本大震災の発災時、震災直後から炊き出しや店舗の営業情報、また避難所で過ごす子供たちに向けての絵本の読み聞かせなど、被災地域の人たちが必要としている情報を細かく伝えた。〝普段からこの街の皆さんとコミュニケーションを密に取ること〟を大切に、この街の人たちに「ラジオ3」を活用してもらうことが、有事の時にこそ活きてくるという想いから、特別番組やイベントを通して、新たな賑わいを共に創出していきたいとしている。
 両社は、仙台と横浜(東急線沿線エリア)の魅力を共有し、相互送客を目指すラジオコーナーを定期放送する。3月11日から連携をスタートし、今後も両社では「街の魅力」、「防災」、「スポーツ」など、様々な側面から横浜と仙台の魅力を共有し、関係人口創出と相互送客を目指す。

3月17日付け4面に掲載

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。