スカパーJSAT、プロジェクト第3弾「湖のクレヨン」

 日本最大の衛星通信事業社であるスカパーJSAT(東京都港区、米倉英一代表取締役執行役員社長)は、衛星画像を活用した〝SATELLITE CRAYON PROJECT〟の第3弾として、「湖のクレヨン」を3月24日よりAmazonスカパー! ストアほかにて販売を開始する。なお、商品の売り上げの一部を、開発途上国の安全な飲料水などの確保に向け、寄付することを予定している。
 環境問題への関心が世界的に高まる中、日本では依然として人々の環境に対する意識が低いことが課題となっている。BCGの調査(「サステナブルな社会の実現に関する消費者意識調査」)によれば、日本の消費者の環境・気候変動への意識は、調査対象となった10ヵ国中最低水準であり、内閣府の調査では、地球環境問題への関心が10年前よりも5ポイント低下し、パリ協定を「知らない」と答えた人が約4割、また2050年の長期目標を「知らない」人が過半数に達するという結果が示されている。
 宇宙で実業を行うスカパーJSATは、宇宙からの視点をもとに、地球に「興味」を持ち「知る」ことが、地球を「好きになる」第一歩という思いのもと、人工衛星が捉えた地球の美しい色を身近なクレヨンという形にすることで、環境への理解を深め、地球の神秘に触れ、興味を持つきっかけを作ってきた。
 「海のクレヨン」「山のクレヨン」に続く、地球の色クレヨンシリーズの第3弾は、「湖のクレヨン」。海に覆われていた原始の地球に、地殻変動で多数の山が隆起し、噴火や氷解などを経て、その起伏のある地形に水がたまることで湖が生まれるという、地球上の生命の誕生ストーリーに想いを馳せた商品。
 湖は場所によって成り立ちや水質が異なるが、形や色のユニークさは宇宙から見ることでより際立つ。人工衛星が毎日撮影し収集した膨大な衛星画像を基に、世界12ヵ所の湖の色を抽出し、クレヨン職人とともに試行錯誤を重ね、12色のクレヨンとして再現した。それぞれの色にあえて名前は付けず、色を抽出した湖の場所を示す「緯度・経度」が記されている。各色には、『フラミンゴの楽園』と呼ばれるピンクの湖ボリビアの「ラグナ・コロラダ」や、世界有数の古代湖のひとつである日本の「琵琶湖」、バクテリアと水温の影響で七色に色づくイエローストーンのグランド・プリスマティック・スプリングや、一年のうち3ヵ月だけ姿をあらわすブラジルのレンソイス砂丘の一時湖など、地球の多様性と神秘を伝えるストーリーが込められている。

 〝SATELLITE CRAYON PROJECT〟のプロジェクトリーダーであるスカパーJSATの清野正一郎さんは「息子との『海って何色?』という何気ない会話をきっかけに、本プロジェクトを立ち上げました。宇宙から見た地球の多彩な色を、楽しみながら学べる形にしたいと考え、未経験のクレヨン制作に挑戦し、試行錯誤の末、実現しました。『子どもたちの「なぜ?」を育み、地球をもっと知りたくなり、好きになる。そんなきっかけに繋がれば』という想いが、多くの共感を集めています」とコメントしている。

掲載は3月24日付け4面に掲載

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。