2024年9月9日(7718号)
フジテレビの番組「テラスハウス」に出演したプロレスラーの木村花さん=当時(22)=がSNSで誹謗中傷を受けて2020年に自殺した問題で、花さんの母親が投稿者として大阪府の女性らに約300蔓延の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁(山本拓裁判長)は請求を棄却した▼裁判を巡っては、訴えを起こされた女性側が「身に覚えがない」と反論。証拠画像として提出されたSNS投稿の画像は捏造された物と主張し、逆に母親側に880万円の損害賠償を求める訴えを起こしていた▼山本裁判長は、投稿された画像について、「捏造されたものである可能性を否定できない」としつつ、双方の訴えを棄却した▼「捏造された」とされる証拠画像は、実在する女性のアカウントを使用して花さんらを中傷する内容が投稿されていたが、あるべき投稿日時が確認できなかったという▼生成AI等先進技術の進化によって、SNSやニュース映像に関する誤情報や偽情報が増加傾向にある。これら悪意ある投稿を取り締まるべき行政による法整備は追いついておらず、情報の真偽の判断は開発者や利用者頼みとなっているのが現状だ。生成AIによる自動検知システムの開発の動きもあるが、現時点では我々SNSを利用する側にも安易な拡散などをせず、冷静な立ち居振る舞いが求められる。(K)
この記事を書いた記者
- 主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。
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