2024年12月16日(7755号)

 日本漢字能力検定協会主催による今年一年の世相を表す今年の漢字が「金」と発表された。パリ五輪・パラリンピックでの金メダルラッシュや、政治を巡る裏金問題、金品を狙った闇バイトなどが注目されたこと等を反映したとしている▼漢字の素晴らしさや奥深い意義を伝えるための啓発活動の一環として同協会が1995年から始めたもので、全国から募集した結果最も多かった一字を12月12日の「漢字の日」に合わせて発表している。この30年間で、「金」の字が選ばれるのは2021年以来5回目。いつの時代も「金」に対する関心の高さは変わらないということか▼情報通信や放送業界においてこの一年間を振り返ったとき、一番に思いつくのはやはり「生成AI」だろう。2022年11月のOpenAI社による「ChatGPT」の公開から早くも2年が経ち、今や生成AIはジャンルの垣根を越えて大きく普及し、あらゆる場面で活用方法が議論されている▼生成AIの普及のおかげで、我々の生活は劇的に変化しつつある。一方で、その進歩の速度は目覚ましく、人の手によるものとの境界線は限りなく薄まりつつある。SNSで拡散される偽情報もその一例に過ぎない。検索結果のトップにAIによる要約が表示されるのも珍しくなくなってきている今、真偽を見抜く重要性への思いを込めて、あえて「眼」の一字を今年の一字に選びたい。(K)

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kobayashi
主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。