2025年2月10日(7772号)
IT大手グーグルの親会社「アルファベット」が、AI(人工知能)を兵器や監視ツールの開発目的では決して使わないという項目を削除したことが話題となっている。スンダ―・ピチャイ最高経営責任者(CEO)はこれまで、人々に危害を与える武器や、国際的に認められた規範に反するような監視のために情報を収集、使用するための技術について、設計や展開をしないとする基本理念を掲げていた。しかし今月4日に更新された最新版ではこの項目が削除された▼グーグルのジェイムズ・マニーカ上級副社長とAI研究所のデミス・ハサビス氏は連名のブログの中で、「何十億人もがAIを日常生活で使用している。AIは汎用技術となり、無数の組織や個人がアプリ開発のために使うプラットフォームになった」とする一方、世界の地政学的な状況はますます複雑になっていることから、「AI開発は、自由、平等、人権の尊重といった核となる価値観に導かれて、民主主義国家がリードすべきだと信じている」と主張。「このような価値観を共有する企業や政府、組織は、人々を守り、世界の成長を促し、国家安全保障を支えるAIを創造するために協力すべきだと信じている」と記す▼トランプ米政権の誕生とともに、彼を支援するIT経営者らの発言権は増す一方だ。彼らが一度でも道を誤った場合、誰がそれを止めるのか。杞憂だと思いたい。(K)
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- 主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。
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