2025年2月17日(7775号)

 工事の遅れや当初の予定を大幅に上回り続ける莫大な事業費、チケットの売れ行きなど、何かとマイナス面での話題が事欠かない大阪・関西万博だが、ここへ来て新たに個人情報の取り扱いに関する問題が浮上し、大きな話題となっている▼一部報道等によると、万博チケットの購入やパビリオンの予約に必要な「万博ID」を登録する際、運営側から個人情報として氏名や生年月日のほかに、顔画像や音声、指紋といった生体情報やライン等のSNSアカウントやパスワード情報、家族に関する情報や趣味嗜好といった情報を要求されるうえ、「顔画像や指紋などの生体情報を第三者に提供する場合がある」といった内容が規約として掲載されていた▼規約上にある第三者には、国や協賛企業のほかに海外政府も含まれていたため、個人情報が海外に拡散される恐れから利用者による批判が殺到。国会審議等でも野党議員から指摘される事態となったという。これを受け、運営側は規約修正を検討していることを明らかにした▼生成AIの普及や技術の発達により、顔認証をはじめとした本人確認手段の精度は日々精度を増している。一方で、生体認証に使用される画像や音声、指紋といった情報の重要性は加速度的に高まっており、悪用された場合の被害は計り知れない。それが最新技術のお披露目の場となる万博ともなれば悲惨過ぎて目も当てられない。(K)

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kobayashi
主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。