2025年3月10日(7783号)
作家の吉本ばななさん名義の著作物がアマゾンの電子書籍サービス「Kindle(キンドル)」で本人の承諾なく販売されていたとして、吉本さん本人が削除を訴えていたことが話題となっている。吉本さん本人の訴えにより同著作物はサービスから削除されたが、生成AIを活用していた可能性が高く、著作権や倫理観、肥大化したプラットフォームといった様々な課題が浮き彫りとなった形だ▼吉本さんによると、キンドルでの販売を知った複数の読者から指摘を受け、SNSを通じて「私はこんな本書いてないのでもちろん法的に訴えますが、読者のみなさん間違えて買わないでください。とんでもないことです。」などと被害を告発すると共に、アマゾンに対して削除を訴えた。キンドルでは吉本さんの他にも、同じく作家の小川洋子さんや村上春樹さん、東野圭吾さん名義の「フェイク」書籍が出品されていたことが判明したという▼フェイク書籍は出版社名が記されていなかったり、ところどころに怪しい日本語は含まれているといった特徴があるという。一方で、今後生成AIの技術が進めば容易に真偽の判断はつかなくなる恐れもある▼生成AIを巡っては、先に発表された文学賞「星新一賞」でAIを活用した小説が初入選したという話題もある。要は使い方次第という話にもなるが、今の人類にそこを見極められるかどうか。(K)
この記事を書いた記者
- 主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。
最新の投稿
筆心2025.03.072025年3月10日(7783号)
Uncategorized2025.03.072025年3月3日(7780号)
筆心2025.03.072025年2月17日(7775号)
筆心2025.03.072025年2月10日(7772号)