
NHK土曜ドラマ「水平線のうた」主演・阿部寛が会見で役どころを語る
NHKは、総合とBSP4Kで3月1日、8日の2週連続で土曜ドラマ「水平線のうた」を放送する。このほど、同作の主演を務める俳優・阿部寛が東京・渋谷の放送センターで開かれた取材会に出席し、作品や役どころへの思いを語った。
同作は、宮城県石巻市と女川市が舞台のヒューマンドラマ。“音楽を通して愛しい人の思いを繋ごうとする”人々を鎮魂の思いを込めつつ感動的に描く。震災ドラマ「ラジオ」を手掛けた岸善幸が演出を担当した。
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阿部は、東日本大震災で妻と娘を失ったが、震災で亡くなった人の霊がタクシーに乗るという話を知り、妻子に会いたい一心からタクシー運転手に転職した大林賢次役を演じている。
最初、脚本を読んだ際は「この役は泣くシーンが多いんですけども、 ちょっと、メソメソしすぎなんじゃないかなと思いました。これまで、悲しみを表現する際、自分は涙をこらえて耐える姿を見せた方が深いし、より伝わると思って演じてきたので、すごく難しいと思いました」と感想を述べた。そこで岸監督に演技について相談したところ、「震災の記憶が薄い子どもに比べて、大人たちは深い悲しみから逃れられない現実があるんです」と聞き、「大林賢次という男はそういうことを忘れられずにずっと苦しんでいる姿を若い世代に見せてしまっている大人なんなだと。そういうことの表現の一つだと理解しました。なので泣くシーンは慎重にやりたいと思い、監督に相談しながらやりました」と撮影時の心境を語った。
また、ロケで石巻市を訪れた時は「まだ終わっていないんだなという感じがしたんです。整備はされているんだけども、静けさみたいなものがあって。車がスムーズに走れるんだけど、そこに寂しさも感じて、なんとも言えない気持ちになりました。街の人に会って話を聞いてみると、僕が想像しても分からないようなことが、人と人との間に起きたんだなと思い、すごく複雑な感情になりました。そういう感情を抱きながら撮影に臨みました」と振り返った。
劇中では音楽会が開かれるシーンがあり、「エキストラの方々に出演していただきましたが、会場が一体となって、涙を流す方もいました。音楽の力はすごいなと思いました。すごくいいシーンになっていると思います」と見どころの一つとして語っていた。
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土曜ドラマ「水平線のうた」は、3月1日(土)、8日(土)2週連続で放送。総合は午後10時から。BSP4Kは午前9時25分から。
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオの番組および会見記事、デジタル家電(オーディオ、PC、カメラ等)、アマチュア無線を担当
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