BS12 トゥエルビ 5年ぶりに編成説明会を開催 「放送局から総合メディア企業」を目指す

 BS12 トゥエルビ(東京都渋谷区、降籏邦義社⻑)は3月17日、都内で「2025年4月編成説明会」を開催した。同社が編成説明会を実施するのは約5年ぶり。

 

 まず登壇した降籏社長は、本年から編成説明会を年2回開催すると表明し、その理由として「当社は規模が小さいが、“BS12らしさ”を大切に様々な挑戦を続けている。その様子を皆様にしっかりお伝えしていきたい。そして私たち自身への挑戦という意味もあり、常に変化を続けていくぞと、自分たちにプレッシャーをかけながら進化していく」と説明した。
 また、今後の編成ポイントとして「多彩なスポーツコンテンツの展開」「BS12初の試みとなる縦型ショートドラマの制作」「社会の課題に目を向けるBS12ドキュメンタリーシリーズの放送」の3点を挙げ、同局のキャッチコピーである「好きを、もっと、じゆうに」に触れながら「BS12は今後もニッチで熱のある『好き』に応える存在でありたいと考えている。信頼を大切にするということを大前提に、最大限変化に挑戦し成長していきたい」と結んだ。

 

 

 続いて登壇した営業・事業推進本部長の古賀宗仁氏は今期の営業・事業の状況について「10年連続での増収増益が達成できる見込み」と説明。放送外事業の一つとして運営する韓国推し活サイト「Kboard」が月間970万ページビューと好調であること、さらに「“放送局”から“総合メディア企業”へ」を目標に、長寿番組「ハワイに恋して!」「マーケット・アナライズ」を自社IPとして捉えた展開についての説明を行った。「ハワイに恋して!」のレギュラー放送は終了するが、3月から開始したYouTubeにプラットフォームを移し、配信を軸にIP事業として展開するとした。

〈IP事業への展開〉

 

 

 

 編成部長の生駒裕之氏は、番組映像を交えてBS12 トゥエルビ2025年4月以降の編成を発表。「ニッチなテーマ、自由な視点、曜日ごとの多彩なジャンル」が柱にあるとし、「視聴者一人ひとりの『好き』に応えていきたい」と述べた。
 野球中継では、3月28日のプロ野球「西武対日本ハム」戦を皮切りに全45試合以上を生中継するほか、昨年に引き続き放送終了後の反省会「どこよりも早い二次会」を企画・放送する。サッカー関連では、FIFAワールドカップ2026南米予選を放送し、3月22日のウルグアイ対アルゼンチン戦は放送に先駆けてTVerで生配信する。毎年恒例のGW特別編成では、昨年実施したサメ映画、ジャッキー・チェン映画、インド映画に引き続き、“GWパニック映画祭”を開催。特集5年目となるサメ映画、ゾンビ映画、今年11月に誕生60周年を迎える「ガメラ」シリーズで編成する。4月28日から5月6日まで「ゴースト・シャーク」「高慢と偏見とゾンビ」など全12作品を放送する(5月2日は除く)。
 なお質疑応答で、BS12が積極的にスポーツ番組を放送していることから「野球、サッカー以外のジャンルのスポーツを放送する予定はあるのか?」との質問に対し生駒氏は「ライブコンテンツであるスポーツは当社の主力コンテンツ。今後も当社らしい新しいジャンルを取り入れることを検討したい」と前向きな返答をしていた。
(写真上から:降籏邦義社⻑、古賀宗仁氏、生駒裕之氏)