
NHKスペシャル「人体Ⅲ」第1集27日放送 試写会見にW司会のタモリ氏、山中伸弥氏が登壇
最新科学が解き明かした命のメカニズムを最先端の顕微鏡と超高精細CGで映像化
NHKはこのほど、東京・渋谷の放送センターでNHKスペシャル「人体Ⅲ」の試写会見を開いた。会見には、同番組の司会を務めるタレントのタモリ氏とノーベル賞科学者の山中伸弥氏、久保田祐佳アナウンサーが出席した。
タモリ氏と山中氏によるダブル司会で2017年にスタートしたシリーズ「人体」。最終章となる今回は「命とは何か」という壮大なテーマに挑む。最新科学が解き明かした命のメカニズムを最先端の顕微鏡と超高精細CGで映像化する。スタジオには毎回ゲストを迎え、楽しい出し物やトークを交えて親しみやすく、わかりやすく、深遠なテーマを掘り下げていく。
会見でタモリ氏は「毎回この番組は理解するのが大変なのですが、山中先生は本当に優しくて難しいところは解説してくれるので、なんとかついていけています。また、最初の人体シリーズが始まった1989年の頃と比べるとCGも飛躍的に進化していて、そのおかげでかなり理解も深まるかと思います。科学の最先端をこんなに分かりやすく解説してくれる番組はほかにないと思うので、貴重な番組です」と語り、最新シリーズについては「『命』そのものを扱うので、あまりにもテーマが壮大で、取り乱しながら収録が終わっていく感覚もありました。世界はこういうものだとか、他人はこういうものだとか、自分なりの理解で生きているわけですけれども、命について最先端の学問を知ると、それまでの理解が変わっていきます。これは何か答えを出す番組ではなく、命を見つめ直すことで違う自分にも出会えるのではないかと思います」と見どころをアピールした。
一方、山中氏は「前回の番組の頃はiPS細胞研究所の所長として研究の応用に携わっていたのですが、今は所長を退いて基礎研究に戻りまして、細胞や生命の根本を見つめています。そのうえで、今回のシリーズの内容は、研究者から見ても考えさせられる感慨深い内容でした。回を重ねるごとに哲学的な内容になっていきますが、命の意味を考える機会になったらいいなと思いますし、この番組を通して新たに研究してみたくなったことも見つかりました。答えを与える番組ではなく、考える材料を与える番組になっていると思いますので、ぜひたくさんの方に見ていただければと思います」と番組を通して、気づきがあったことを明かした。
スタジオ出演とナレーションを担当する久保田アナウンサーは「新シリーズは『細胞』に注目しています。過去のシリーズで取り上げた腎臓や骨、腸などの臓器については、驚きはありながらも体内でどんな働きをしているかのイメージがついたのですが、細胞はほとんどの人が見たことも考えたこともない世界ではないでしょうか。その世界は、番組の中でも表現している通り、まさに“ワンダーランド”で、その一つひとつが自分の体の中にあるのかと本当に驚きでした。ぜひ一緒にその奥深い世界を体感いただけたらと思います」と呼びかけ、「タモリさんと山中伸弥さんとの収録は、今回も和やかで楽しかったです。ふたたび研究者として現場に戻られた山中さんの好奇心や探求心も間近で感じられて、とても幸せな時間でした。『命とは何か』という壮大なテーマを、皆さんお一人おひとりがそれぞれに受け取っていただけたら嬉しいです」とスタジオ収録の様子を話していた。
27日放送の第1集では、人間の体を形作るおよそ40兆個もの細胞の中に広がる摩訶不思議な「細胞内世界」を探訪する。単なる物質であるにも関わらず、まるで意思があるかのように細胞は歩き、合体し、協力し合う“細胞内キャラクター”たちが存在している。命のない部品が集まって命を営む、ファンタジックな細胞内世界を最新顕微鏡による実写と、超高精細のCGで映像化。人間の命を突き動かしている源には何があるのか、究極の謎に迫る。スタジオゲストは歌手のMISIA氏と、元・サッカー女子日本代表の澤穂希氏。
■番組概要
NHKスペシャル「人体Ⅲ」(全4回)
【司会】タモリ、山中伸弥
【音楽】川井憲次
【オープニングCG 語り】板垣李光人
【出演・ナレーション】久保田祐佳(NHKアナウンサー)
■放送予定
第1集「命の源細胞内ワンダーランド」4月27日午後9時
第2集「細胞40兆限りあるから命は輝」5月11日午後9時
第3集「命のつながり細胞40億年の旅」5月25日午後9時
第4集「果てしなき命の探求」6月8日午後9時
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当