東京都庭園美術館が「アール・デコ・リヴァイヴァル!」を開催

 東京都庭園美術館は「アール・デコ・リヴァイヴァル!」と題して2つの展覧会、「建物公開 旧朝香宮邸物語」と「鹿島茂コレクション フランス絵本の世界」を3月21日より開催した。 3月20日にはプレス向けの内覧会が行われ、同美術館館長の樋田豊次郎氏が挨拶をし「当美術館は35年前に誕生し、建物は85年ほど前のものですのでだいぶ傷んでいました。外壁は当時どのような色だったのかを調べて塗りなおしたり、庭園を復元・舗装するなど修復し、またエレベーターやレストラン、新館などを設置するなどして、3月21日に総合開館と銘打ってオープンすることになりました。『アール・デコ・リヴァイヴァル!』は、85年前に朝香宮ご夫妻がご覧になったアール・デコの世界を修復・刷新して、リヴァイヴァルしたんだという我々の万感の思いを込めたタイトルです。アール・デコにちなんだ上で現代に新しい価値を創造するということで、『鹿島茂コレクション フランス絵本の世界』の展覧会を開催します。美術館の行く末を見た上でも、重要な位置づけの展覧会になると思います」と話している。 旧朝香宮邸は、朝香宮ご夫妻のパリ滞在と1925年に同地で開催されたアール・デコ博覧会への訪問がきっかけとなって1993年に竣工。戦後は吉田茂外務大臣公邸としても使用されており、「建物公開 旧朝香宮邸物語」では朝香宮ご夫妻のドレスやバッグなどが展示され、邸内の大広間や大食堂、寝室などを公開。吉田茂の書斎などが再現され、サイネージやパネルなどが設置され、同邸の歴史を振り返ることができる。さらに同邸の芝庭の隣にある日本庭園や茶室も整備・復元されており、茶室での茶会や西洋庭園での花見など、四季折々の木々や花々を楽しむことも可能となっている。 「鹿島茂コレクション フランス絵本の世界」では、フランス文学者の鹿島茂氏が30年以上に渡り収集を続けてきたフランスの子ども向け絵本コレクションを展示する。ジュール・ヴェルヌの代表作「海底2万里」の装丁や、19世紀半ばに活躍した作家らの挿絵、ジャン・ド・ブリュノフの「ぞうのババール」シリーズなどが展示されており、当時の子どもたちに楽しまれていた絵本の世界を知ることができる。 「フランス絵本の世界」の主催は東京都庭園美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会で、協賛はライオン、大日本印刷、損保ジャパン日本興亜、日本テレビ放送網。期間は3月21日から6月12日まで。問い合わせ先は次の通り。東京都庭園美術館:03―5777―8600。