NHK「新プロジェクトX~挑戦者たち~」記者会見
NHKはこのほど、4月6日にスタートする新番組「新プロジェクトX~挑戦者たち~」の取材会を東京・渋谷の放送センターで開いた。会見には、番組MCを務める有馬嘉男記者、森花子アナウンサーとともに制作統括の久保健一チーフ・プロデューサーが登壇し、新番組の企画意図や思いなどを語った。
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2000年から約5年半に渡り放送された前シリーズの「プロジェクトX」では、黒四ダムや青函トンネルなどの巨大建設工事、VHSデッキや国産乗用車等の製品開発、あさま山荘事件の舞台裏など、日本の産業史・現代史に残る大型事業に関わった人々のドラマを描き、大きな反響を呼んだ。今回の新シリーズで主に光を当てるのは、バブル崩壊以降の「失われた時代」。平成から令和の時代に様々な分野で新たな試みに挑んだ人々をドキュメンタリーで紹介し、スタジオにはプロジェクトに関わったキーパーソンをゲストとして迎え、有馬記者と森アナウンサーが舞台裏の秘話をインタビューする。
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「プロジェクトX」でディレクターとして参加していた久保チーフプロデューサーは「私は今51歳で、大人になってから過ごした時間の大半が『失われた時代』です。それでは、僕たちの世代は子どもや孫に負の遺産しか残してこなかったのか? というと、決してそんなことはないと思うんです。戦後の復興期や経済成長が右肩上がりだった時代に比べると、時代を象徴するような巨大プロジェクトは減りましたが、より良い社会を作ろうと、多彩なアイデアや夢を抱き、ひたむきに働いている人は現在もたくさんいらっしゃる。そうした人々を『失われた時代』という言葉で括るのではなく、その挑戦や活躍に光を当てたいと思いました。どんな時代にも頑張っている人がいることを証明したい、そして2024年の今こそ光を当てるべきテーマがあるはずと考え、今回の新シリーズ制作に踏み切りました」と新シリーズの意義と制作意図を語った。
有馬記者は「MCを打診された時、個人的には“昭和からの決別”という裏テーマを持てないかと考えました。新シリーズで取り上げるのは平成・令和のプロジェクトなので、“男たちは滅私奉公、女たちはそんな男たちを内助の功で支える”という時代の話ではありません。新しい時代のプロジェクトがどういう価値観で、どんな人たちが実現してきたのかを見ていくのは面白いんじゃないかと思っていました」と話し、「ところが何本かの収録や取材を通して、そんなに簡単な話ではない、と気づきました。大勢の人がかかわる大きなプロジェクトは、人々の思いや感情で支えられ、それに成否が左右されます。上司と部下の信頼関係だったり、自己犠牲を厭わないチームワークだったり、無償の家族愛だったり、友情だったり。そんないつの時代も変わらない人々の思いがプロジェクトを大きく動かしていることを改めて知ったからです。ですので、18年前のシリーズとやることは基本的に変わりません。『努力は報われる』『きっと夢は叶う』、そう信じて頑張ってきた人たちのドラマを丁寧に掘り起こし、丁寧に伝えていく、そんな新シリーズになります」と意気込みを述べた。
森アナは「番組MCとしてはもちろん、いち視聴者としてこの番組を通して、皆さんの知恵や工夫、働き方、考え方を学ばせていただいて、日々の生活に活かしていければと考えています。番組をご覧いただいた皆さんが私と同じように、この番組を見てよかったと感じていただけるような、希望が持てる番組にできればと思っております」と語った。
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「新プロジェクトX~挑戦者たち~」は総合で4月6日スタート。毎週土曜日午後7時30分~8時15分(初回「東京スカイツリー天空の大工事~世界一の電波塔に挑む~」は7時30分~8時53分の83分拡大版)
(左から)久保健一チーフ・プロデューサー、有馬嘉男記者、森花子アナウンサー
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオの番組および会見記事、デジタル家電(オーディオ、PC、カメラ等)、アマチュア無線を担当
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