マイクロウェーブ展レポート 古野電気、電波透過技術「電波透過シート」
古野電気は「マイクロウェーブ展2024」に出展し、磁界共振回路による電波透過技術「電波透過シート」を展示紹介した。壁に貼るだけで、電波の伝送効率が向上する製品で、広域なネットワーク環境を構築する。
伝送、伝搬に次ぐ第三の電波技術「透過」。特長は、対向して離れた2つの素子(コイル)間を磁界のみでエネルギー伝送する。磁界のみとすることで壁材(誘電体)による減衰(誘電体損失)を改善する。
カプラ(アンテナ)・共振素子をアレイ化することで、電波が透過できる面が広がり、伝送効率が向上する。
電磁界シミュレーションによりスプリットリング共振器アレイでの、伝送効率28%向上、伝送距離13%向上を確認した。カプラ素子アレイを追加することでアンテナ利得の分、更なる効率向上が期待される。
今後の展開では、ホテル・オフィス、建設中のビル、機械室など間仕切りの多い環境で無線LAN(Wi―Fi6/7)、5G/6G LTE・ローカル5G、LPWA/11ahなど広域ネットワーク環境を構築。IoT・DXのインフラ構築の実現を視野に入れている。
写真は「電波透過シート」
12月4日付けに掲載
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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