マイクロウェーブ展レポート アンリツ ドローン利用の上空電波環境調査など

アンリツは、「マイクロウェーブ展2024」に出展し、同社ブースでは、4つのテーマ(「光電融合デバイス/基板伝送線路」、「電波環境調査/ノイズ探索」、「無線LAN/センシング/レーダ」、「安定化電源」)で、ワイヤレス機器や電子機器のテストにおける、さまざまなソリューションを紹介した。
 『ドローンを利用した上空の電波環境調査』は、ドローンを利用した上空の電波環境の調査/把握に便利なスペ
クトラムアナライザを紹介した。特長は▽モジュールタイプで小型軽量▽GPS内蔵▽9KHz~6GHzの周波数範囲を高速掃引。スペクトラムモニタ「MS27100A」を展示した。「MS27100A」は、違法、または無認可の干渉信号の特定とその排除を容易にする。継続的なスペクトラム監視により、問題の信号が発生したとき、リアルタイムで確認できる。問題となる信号の動作パターンを調べることもできるため、問題の特定や干渉信号の探索などの効果的な方法を提供することができる。
 『ドローンを利用した上空の無線/通信品質の測定サービス』では、アンリツは計測器を搭載したドローンを用い、上空における無線通信環境を評価するサービスを提供している。政府は、2030年のドローン航路運用開始を目指し、 ドローンの遠隔操作に必要な上空の通信環境整備を推進している。 このような中、電波の強度や通信速度、遅延など、上空の電波/通信品質の評価需要が拡大しているのが背景だ。測定例のひとつが、無線通信品質測定。ドローンにエリアテスタ等の計測器を搭載し、電波の強さを地図上にマッピングすることで可視化する。
 『60GHz/79GHzミリ波レーダ測定』では、「スペクトラムマスタ」の「MS2762A」、高精度・高純度信号発生器のRF/マイクロ波信号発生器「MG372x1A」を紹介した。ここでの背景は次の通り。車内置き去り防止センサや自動車衝突防止レーダなどは、ミリ波と呼ばれる非常に周波数の高い電波が使用されており、これらの評価には、大型で高性能な測定器が必要だった。「MS2762A」は小型軽量でスペクトラムの評価に最適だ。厳しい高感度要求に対応するダイナミックレンジと表示平均雑音レベル(DANL)性能を実現。スペクトラムマスタ「MS276xA」シリーズは、ポケットサイズながら、ダイナミックレンジ、掃引速度、および振幅精度の優れた性能を誇る。超小型なので、ほとんどの被試験体に直接接続可能。損失が多い高価なケーブルを必要としない。技術開発の効率を上げ、納期短縮に貢献する。

写真は スペクトラムモニタ「MS27100A」

全文は 12月4日付け4面に掲載