古野電気、TOAと共同で建設現場向け放送設備の実証実験を実施

 古野電気は、建設現場向けWi-Fiシステム「ウェーブガイドLAN」と建設現場向け「リモートモニタリングシステム」を活用し、建設現場内における放送設備に関する実証実験を実施しました。本実証実験は、TOAと共同で実施しましたと発表した。
当社の現場内ネットワークを構築する無線LAN設備である「ウェーブガイドLAN」と、作業員のフロア検知を実現するセンサーシステム「リモートモニタリングシステム」を建設現場へ導入することで、現場内でのIP放送システムを構築しました。

■実証実験の背景
スマートフォンなどのデバイスが普及したことで、建設現場では放送設備を設置することが少なくなりました。スマートフォンを持っていない作業員や連絡先を知らない作業員に対して周知を行うことが難しいため、災害など有事発生時において、迅速に現場全体への周知や対応を促すことが課題でした。

■実証実験の概要
1.全フロアへの一斉放送
本実験では、「ウェーブガイドLAN」によるビル現場内の無線ネットワークの構築と全フロアでの一斉放送を確認しました。複数のIPスピーカーに対して、同時にパケットを送信するマルチキャストによって放送を実現しました。
一般に、無線ネットワークにおける音声のマルチキャストストリーミングは遅延や音声途切れが発生しやすいという懸念がありますが、「ウェーブガイドLAN」を含む当社の建設現場向けWi-Fiシステム「ゼンゲンバLANシリーズ」を用いた場合、良好な音声放送が可能であることを確認しました。全フロアで一斉放送が可能となることで、災害時の避難指示が円滑に行えるなど、現場の安全性を高めることが期待できます、と話した。