
ソニー、2025国際放送機器展「NAB Show 2025」に出展 クラウド/IPソリューションの強化、空間コンテンツ制作にも活用可能なVENICEエクステンションシステムMiniや カメラトラッキングシステムなどを展示
ソニーは、米国ラスベガスで現地時間4月6日(日)から9日(水)まで展示が行われる国際放送機器展「NAB (National Associations of Broadcasters) Show 2025」に、「Creativity Connected(クリエイティビティ コネクテッド)」をテーマに出展します。(ブース番号 N439)
ソニーブースでは、効率的なライブ制作を実現する「Networked Live(ネットワークド ライブ)」におけるシステムカメラソリューションやクラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud(クリエイターズ クラウド)」に加え、空間コンテンツ制作にも活用可能なVENICEエクステンションシステムMiniやカメラトラッキングシステム『OCELLUS(オセラス)』を含むバーチャルプロダクション技術など、最新の映像制作機器やソリューションを展示します。
ソニーは、映像表現の可能性を広げる最新ソリューションにより、未来のエンタテインメントを放送局やコンテンツクリエイターと共創していきます。
主な展示内容
1. オンプレミス/クラウド・ライブプロダクション「Networked Live」
「Networked Live」は、オンプレミス/クラウドの環境を選ばず、制作機器や人などのリソースをハイブリッドに活用することで、より効率的なライブ制作を実現するソリューションです。ライブ制作向けのシステムカメラソリューションや機能拡充されたリモート制作機能を展示します。
ライブ制作向けシステムカメラソリューションの強化
マルチフォーマットポータブルカメラ『HDC-F5500V』を2025年7月に発売予定です。(参考システム価格:約17,500,000円+税)『HDC-F5500V』は、システムカメラとしての優れた操作性と、スーパー35 mm CMOSイメージセンサーならではの印象的なぼけ描写を実現する『HDC-F5500』の機能を踏襲しながら、本機用に新開発した光学式可変NDフィルターを搭載したモデルです。フィルター透過率の変更時に物理的な枠の映り込みが発生しないため、オンエア中でもNDフィルターの透過率を自由に調整することができます。また、ゲイン・アイリス・可変NDフィルターが連動した露出制御を実現するバーチャルアイリス機能や、可変NDフィルターとレンズアイリスの連動制御による被写界深度コントロール機能も搭載します。
カメラコントロールネットワークアダプター『CNA-2』(v1.1: 2024年12月提供済み) は、 ソニーのマルチカメラシステムGMCS(Global Multi Camera System)による複数サイトの統合管理に対応し、大規模なスポーツイベントなどでの多数のカメラのリモート操作を可能にします。また、オプションライセンス『HZC-MSUCN2』を適用することで、Webブラウザ経由で複数カメラの同時設定変更や色調整などが可能になります。
リモート制作機能の拡充
システムカメラとリモートプロダクションユニット『CBK-RPU7』(Ver1.1:2025年1月対応済み)および5G対応のポータブルデータトランスミッター『PDT-FP1』を連携し、5G経由でメディア・エッジプロセッサー『NXL-ME80』(Ver1.2:2025年3月対応済み)に映像伝送する際の機能が向上しました。リターン映像を確認しながらの撮影や、タリーやリモート制御にも対応しました。また、『NXL-ME80』は更なる低ビットレートでの伝送、ジッター(映像の乱れ)への耐性の強化、暗号化機能(AES256)を搭載し、より安定した映像伝送を実現します。
ソニーの子会社であるNevion社は、映像および音声の効率的なリアルタイム伝送技術や、ネットワークとリソース統合管理の最新技術を展示します。同社のソフトウェアベース IPメディアノード「Virtuoso」では、様々な形式の音声データ(AES、アナログ、MADI)を多チャンネル同時に処理・変換することが可能になります。(2025年4月末対応予定) また、低遅延・低ビットレートを実現するHEVCでの伝送デモを行います。メディアオーケストレーションプラットフォーム「VideoIPath」は、5Gやクラウドシステムとの連携強化により、制作現場で高品質な映像・音声を、より効率的かつ柔軟に扱えるようになります。
ライブ制作向けスイッチャーも、新たなファームウェアアップデートにより機能を向上します。『MLS-X1』(Ver 2.3: 2025年4月予定)は、予め設定した条件に基づき自動的にアクションが選択される「Conditional Action」機能を搭載し、制作効率を向上します。また、『M2L-X』(Ver 1.1: 2024年12月提供済)は、クラウド環境に加え、汎用機器(COTSサーバー)等での運用が可能です。
2. クラウド制作プラットフォーム「Creators’ Cloud」
「Creators’ Cloud」は、クラウド技術と多様なカメラ、通信技術、AI、メタデータなどを組み合わせることで、新たな映像表現や効率的な制作を実現します。法人・個人向けに様々なサービスを提供しており、個別利用も、複数のサービス連携も可能です。ブースでは、各サービスの使い勝手をさらに向上させる機能アップデートを展示します。
法人向けソリューション
「Creators’ Cloud」で提供するクラウドメディアストレージ「Ci Media Cloud」は、ポストプロダクションのワークフローをシンプル化および自動化するアップデートを行います。カメラとクラウドを繋げる「Creators’ App」で設定することで、『FX3』『FX30』『α7S III』※4 から「Ci Media Cloud」へ静止画・動画を直接アップロード可能になります。これにより、撮影終了を待たずにカメラから「Ci Media Cloud」に軽量なプロキシデータを転送でき、撮影クルーや編集関係者のいる場所を問わず、レビューやコメントができるようになります。さらに、「Ci Media Cloud」は「DaVinci Resolve Studio」と直接連携できるプラグインを、2025年2月より提供開始しました。これにより、「Ci Media Cloud」に保存している映像素材の編集、検索、プレビュー、新しいカットの共有など様々な操作をノンリニアビデオ編集ソフトウェア (NLE) から直接できるようになります。 なお、映像制作のほか多様な用途で活用される法人向け「Creators’ Cloud」で提供する各種ソリューションは国内の累積契約数が100件を突破しました。(2025年4月4日時点)
個人向けソリューション
個人向けの「Creators’ Cloud」では、動画クリエイターの撮影から制作全般をサポートする最新のクラウドサービスを展示します。ワイヤレス映像モニタリング・リモートコントロールができる「Monitor & Control」では、最新のソフトウェアアップデート(Ver2.3)で電子切り出しフレーミング機能(対応機種: PXW-Z200、 HXR-NX800) や、モバイル端末上のフォーカスマップの解像度向上などの機能拡充を行います。詳細はこちらをご覧ください。
3. 最新システムカメラや新たな映像制作用アクセサリーを含む豊富なイメージング商品群
映像制作業界の多様なニーズに応える、カメラやモニター、オーディオの包括的な製品群を展示します。
新たな映像コンテンツを可能にするアクセサリーやCinema Lineカメラの最新ソフトウェアアップデート
デジタルシネマカメラの最上位モデルであるCineAltaカメラ『VENICE 2』のカメラヘッド延長システムVENICEエクステンションシステム Miniを展示します。(2025年3月26日発表済) 本機は、『VENICE 2』8K と同等の8.6 KフルサイズCMOSセンサーを内蔵しながら、既存モデルに比べ約70 %小型6 し、新開発の脱着式ケーブルを備えます。本機と『VENICE 2』を複数台使用し、人の瞳孔間距離に近い自然な立体映像やVFX背景等の空間コンテンツ制作が可能です。
この他、『VENICE 2』や『BURANO』、FXシリーズの最新カメラソフトウェアの体験が可能です。
PTZカメラのオートフレーミング機能の進化
『BRC-AM7』は、 ファームウェアアップデートVer. 2.00(2025年7月提供予定)によりPTZ オートフレーミングを用いたAI自動撮影で、新たな機能を追加します。AI自動撮影機能が大幅に進化し、被写体の視線方向に余白を設ける目線空け効果や、最大8人までの被写体を自動認識する複数人オートフレーミング機能を搭載します。また、特定の人物の顔登録や追尾範囲指定機能に加え、リモート制作用に『CNA-2』にも対応し、より柔軟な撮影が可能になります。この他、『BRC-AM7』 『FR7』はリモートでのカメラ操作と撮影設定の変更が可能なソフトウェアの開発キット群「Camera Remote Toolkit」の新バージョンに、2025年初夏に対応予定です。
マスターモニターの運用効率を向上する機能強化
フラッグシップモデルの31型 4K液晶マスターモニター『BVM-HX3110』は、ファームウェアアップデートVer2.0により、運用効率を大幅に向上する無償の機能強化を行います。(2025年6月末予定) 昨年9月に発表し、2025年夏に発売予定の17型4K液晶マスターモニター『BVM-HX1710』 『BVM-HX1710N』にも同様の機能強化を行います。サイドバイサイド表示機能を強化し、4K信号同士もしくは4KとHDの映像を比較することが可能になります。『BVM-HX3110』『BVM-HX1710』『BVM-HX1710N』の異なるモニター間で設定コピーが可能になり、複数台のモニター間の設定効率を向上します。最大輝度設定は4000 nitsから400 nitsまでの8段階に細分化可能になる他、様々な画面表示機能の向上を含みます。
この他、伝送性能と音質を強化したデジタルワイヤレスマイクロホン『DWM-30』を展示します。(2024年11月12日発表済み)
4. バーチャルプロダクション
バーチャルプロダクションなどの制作を効率化する新たなカメラトラッキングシステムや、「Virtual Production Tool Set」の次期バージョンを展示します。
新たなカメラトラッキングシステム『OCELLUS』(2025年3月19日発表済み)を展示します。複数センサーにより安定したマーカーレストラッキングを屋内外で実現し、バーチャルプロダクションなどの空間コンテンツ制作を効率化します。
「Virtual Production Tool Set」の次期バージョンを先行展示します。Crystal LED撮影時の視野角による色シフトをカメラトラッキングデータを元にリアルタイムで補正する機能では、L字型のLED ウォール撮影時でも適切な色再現が可能になります。即時性が求められるバーチャルプロダクションにおいて、新開発のレイトレーシング高速化技術により高品質・低コストなCG背景描画を実現します。『VENICE 2』のオンスクリーンディスプレイにモアレ警告をリアルタイムに表示する機能も追加し、撮影現場で即座にモアレに気づくことができます。

『HDC-F5500V』
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。