【エイブリック】クライアント/サーバ向けDDR5 DIMM用IC、SPD「S-34HTS08AB」を発売

 ミネベアミツミグループのエイブリック株式会社(社長:田中 誠司、本社:東京都港区、以下(ABLIC)は本日より、DDR5 メモリモジュール用 IC の SPD「S-34HTS08AB」の販売を開始しました。
 昨今、クライアント用 PC やデータセンター用サーバにおける通信データ量が急速に増加しているため、メモリモジュールにはより高度なデータ処理能力が求められています。これにともない、メモリモジュールは従来の DDR4 と比較し、処理スピードが速く大容量のデータ処理が可能な DDR5 へと規格変更が進んでいる最中にあります。
 DDR5 のメモリモジュールでは、メモリ帯域幅とデータ容量の増加に対応するために、システムの電源管理、熱管理を行うためのデバイスを搭載し、DDR4 とはその構成を一新しています。この構成の実現においては、DDR5 の SPD には従来の DDR4 に備わっている EEPROM 機能と、温度センサ機能に加えて、デバイス間の通信を仲介する HUB 機能の追加、さらに、I2C 規格の拡張版となる高速通信I3C 規格への対応が求められています。
 本日発売した新製品「S-34HTS08AB」は、DDR5向けSPDとして最新JEDEC(※1)仕様であるSPD5118に準拠し、HUB 機能を搭載しました。また、I2C のみならず I3C 通信規格に対応したことにより、動作速度が 1MHz から 12.5MHz まで向上し、外部コントローラと DIMM ボード上のデバイス間の通信を適切に管理します。この特徴により、高度なデータ処理能力を実現しクライアントおよびサーバ向けのDDR5 DIMM 用 IC として幅広くご使用いただけます。さらに、入出力の回路には当社の独自技術やノウハウ等を活用し、高速かつ安定した通信が出来るよう設計されているため、他社製周辺デバイスとの親和性が高く、フレキシブルな購買をご所望のお客様に貢献できる製品です。
 今回の新製品「S-34HTS08AB」発売に際し、ABLIC 社長の田中は以下のようにコメントしています。
「データ通信の進化のスピードはますます加速の一途をたどっていますが、このたび、昨今の通信環境下において大容量データ処理をサポートする新製品『S-34HTA08AB』を発売することができることを誇りに思っています。ABLIC は、これからも持ち前の技術力で高機能かつ高品質な製品で世界中のお客様に貢献できるよう尽力してまいります。」

【主な特長】
1. I2C & I3C 通信に対応した SPD HUB、JEDEC 最新仕様に準拠
「S-34HTS08AB」は、3.3V/1MHz 動作の I2C 通信、1.0V/12.5MHz 動作の I3C 通信の双方に対応。
 JEDEC 最新仕様 SPD5118 に準拠した SPD HUB であり、クライアントおよびサーバ向けのDDR5 DIMM に幅広くご使用いただけます。
 従来の DDR4 と同様の高信頼性 EEPROM、高精度温度センシング機能に加えて、DDR5 向けにHUB 機能を搭載しています。温度センサ・SPD メモリの役割を担いつつ、外部コントローラとDIMM ボード上のデバイス間の通信を適切に管理することにより、最適な通信システムを構築することが出来ます。

2. 周辺デバイスとの高い親和性を実現
「S-34HTS08AB」は、周辺デバイスと安定した通信が出来るように設計されており、周辺デバイスとの高い親和性を実現しました。サンプル製品提供による組み合わせ評価においても高評価を得ています。DIMM モジュール設計において他社周辺デバイスとの組み合わせが容易であり、フレキシブルな購買に貢献します。

3. ABLIC 独自技術により入出力波形を適切に制御、高速・安定した通信に貢献
「S-34HTS08AB」は、入力回路・出力回路に通信波形を制御する回路を搭載。周辺デバイスとの高速かつ安定した通信に貢献します。
 入力回路には入力波形の揺れに対して不感時間(揺れに反応しない時間)を設けることで、通信ノイズ対策を実現しました。フィルタリングによる通信の遅れを抑制します。出力回路にはオーバーシュート・アンダーシュート抑制機能を搭載し、安定した出力波形を実現します。