【東芝インフラシステムズ】愛媛県のトライアングルエヒメ推進事業「デジタル実装加速化プロジェクト」に採択

東芝インフラシステムズ株式会社は、愛媛県がデジタル技術を通じて地域課題の解決にチャレンジするトライアングルエヒメ推進事業「デジタル実装加速化プロジェクト」の令和6年度新規採択プロジェクトにおいて、「V2X注1システムとPeer to Peer(以下、P2P)電力取引注2によるスキームを活用した電気の地産地消」をテーマに、TRENDE株式会社(以下、TRENDE)などと応募し、このたび採択を受けました。実装検証期間は2024年11月末から2025年2月末までです。

 愛媛県では、「愛媛県地球温暖化対策実行計画」において、「2050年脱炭素社会の実現」を目標として掲げており、県内での再生可能エネルギーによる発電設備の増設、県内で発電した電気の効率的な県内消費を目指しています。
 また、再生可能エネルギーの発電者、特に太陽光発電システムを設置している一般家庭は、卒FIT注3などにより売電価格が下落し収益力が低下している一方で、需要家である企業および一般家庭においては、燃料価格の高騰に伴う電気料金の上昇によるコスト負担が増加していることから、双方で余剰電力の活用などを通じた効率的な電力の売買へのニーズが高まっています。

 そこで、本プロジェクトでは、地域全体のCO2排出量の削減と、エネルギー代金の県外流出の削減、および地元企業・住民の電気料金の削減や余剰電力の売電収入増加に向け、当社の構築するV2Xシステムと、TRENDEのP2P電力取引プラットフォームを活用した電気の地産地消スキーム(城下町型P2P電力取引モデル)を構築し、実用化に向けこのたび実装検証を行います。
 東芝EIコントロールシステム(株)四国事業所(愛媛県松山市 以下、同事業所)をモデル工場として、太陽光パネル・蓄電池・EV(電気自動車)を直流のまま接続できる当社のマルチパワーコンディショナ1台を同事業所に設置しV2Xシステムを構築し、通勤に使うEVを調整力とすることで、再生可能エネルギーとEVを効率的に利活用します。一方で、TRENDEのP2P電力取引プラットフォームを活用し、同事業所と太陽光発電システムや蓄電池を設置している一般家庭との間で電力取引を行います。これらにより、従来よりも電力の売り手である一般家庭などは高く電力を売却でき、電力の利用者である同事業所は安く電力を調達することが可能であることを確認します。
 本プロジェクトでは、EV6台、太陽光発電設備設置済みの一般家庭30世帯程度をモニターとして参加いただき、プロジェクトの効果を確認していきます。

 東芝グループでは、東芝グループが持つビジネスアセット・先端技術を活用し、新たなイノベーションを起こす熱意を持つ企業を募集し、東芝グループとの協業を通じて応募企業の事業化の加速を支援するプログラム「Toshiba OPEN INNOVATION PROGRAM」を展開していますが、TRENDEは2023年のプログラムにおいて採択し協業検討を開始した企業です。

 東芝インフラシステムズ株式会社は、今後もお客様やパートナーと密接に連携し、バリューチェーン全体としての事業を拡大することで、カーボンニュートラルの実現に貢献し、社会全体の持続的な成長をリードしてまいります。

注1 V2X(Vehicle to everything):自動車とさまざまなモノをつなぎ、相互に連携する通信技術
注2 太陽光発電などで発電した電力や蓄えられた電力を近隣の電力消費者に直接販売ができるモデル
注3 国の固定価格買取制度の期間が終了したもの