ミハル通信、さっぽろ雪まつり会場から大阪への高臨場感22.2ch音声伝送に成功

ミハル通信は、「2024さっぽろ雪まつり」(2月4日~11日) 期間内に行われた国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が主催するさっぽろ雪まつり伝送実証実験に参加したと発表した。この実証実験で、さっぽろ雪まつり会場の様子を同社の22・2chイマーシブマイクで集音し、ELLシステムでリアルタイム伝送を行い、大阪会場にて臨場感の高い音場を再現することに成功した。大阪会場では22・2ch対応イス型スピーカーを用い、さっぽろ雪まつり会場の映像と共に高臨場感のある現場再現を体験することができた。
実験に使用された同社機材はさっぽろ雪まつり会場において①22・2chイマーシブマイク②ELL8Kデコーダー③ELL8Kエンコーダー④ELL Lite(試作機)。
大阪会場(グランフロント大阪)において①ELL8Kデコーダー②ELL8Kエンコーダー③ELL Lite(試作機)。
ミハル通信が開発中の「ELL Lite」は4K/2K対応の極超低遅延エンコーダー/デコーダーで、PCMの非圧縮音声を最大64chで多チャンネル伝送が可能。昨年のInter BEE 2023ではリモート・ライブ・セッションを行い、20ms以下の伝送を実現した。ネットワークオーディオプロトコルのDante、MADIのデジタルオーディオインターフェイスを実装している。
ミハル通信のELLシステムは、2020年に8K対応の「ELL8K HEVCエンコーダー/デコーダー」を発表し、2022年度に製品化を完了した。エンコーダーとデコーダー間で約30msという世界最高水準の極超低遅延映像・音声伝送を可能にする。ELL Liteは4K/2K対応のエンコーダー/デコーダーで、2023年度中の製品開発を予定している。MADI、DANTE対応のインターフェイスを実装予定で、ホール間のリモート同時セッション、ライブ中継など様々な用途に対応することを想定して製品化を進めている。
この研究成果の一部は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の委託研究により得られたもの。

写真は ELL Liteによる非圧縮音声伝送が可能にした高臨場感音響伝送。写真は卵型形状のイス型スピーカー(大阪会場)

※3月8日付け2面に掲載

投稿者プロフィール

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。