YRPオープンイノベーションデー2024 開催レポート ここから未来が見えてくる!

 「YRPオープンイノベーションデー2024」が『ここから未来が見えてくる!』をテーマに、10月18日・19日にYRPセンター1番館(神奈川県横須賀市光の丘3―4)で開催された。主催はYRPオープンイノベーションデー実行委員会(株式会社横須賀リサーチパーク〈YRP、神奈川県横須賀市、鈴木茂樹代表取締役社長〉、横須賀市、京浜急行電鉄、一般社団法人YRP研究開発推進協会。YRPオープンイノベーションデーは、年に一度開催されるYRP進出機関等の成果発表・一般公開。昨年に続く2度目の開催となった。18日は展示会、講演会が行われた。講演会は10月18日にYRPホール(YRPセンター1番館1階)で開催された。次世代技術の最前線を探る「生成AI、サイバーセキュリティ、メタバース」をテーマにした講演会となった。19日は展示会、子供向けワークショップなど様々なプログラムが催された。

 講演は、YRPセンター1番館内のYRPホールで行われた。基調講演は、「多様性とAIが導く未来のビジネス戦略」と題して、筑波大学デジタルネイチャー開発研究センター長/准教授の落合陽一氏が行った。講演概要は、超AI時代における多様性の重要性と、AI技術を活用した新しいビジネスモデルの構築方法を探る。多様な視点が生み出すイノベーションについて。
 同氏は、 計算機と自然の融合を目指すデジタルネイチャー(計算機自然)を提唱し、コンピュータと非コンピュータリソースが親和することで再構築される新しい自然環境の実現や社会実装に向けた技術開発などに貢献することを目指している。

YRPセンター1番館内の無線歴史展示室も通常は団体での見学のみを受けている施設だが、YRPオープンイノベーションデー2024会期中に特別開館した。
 無線歴史展示室は、無線通信の歴史についての理解を一層深めてもらうため、横須賀リサーチパーク(YRP)の企業を中心に展示品の協力を得て開館した。無線通信技術分野における先人の功績が一堂に会している。太田現一郎無線歴史展示室室長の協力で、記者は通常は静態展示のゼンマイ式蓄音機「JI―35型 ビクトローラ」の音色を聴かせていただいた。こちらは1935年3月発売(定価は35円)、日本ビクターで設計製作した普及品である。1923年頃発売の三光堂蓄音器も展示されている。三光堂は大正時代に日本コロムビアに吸収された蓄音機・レコード販売会社。
 新たに展示物に加わった目玉のひとつが世界統一基準VHS方式ビデオレコーダー1号機「HR―3300」(1976年)。これは、日本ビクター(現JVCケンウッド)が考案した垂直ヘリカルスキャン録画方式によるビデオレコーダーの最初の商品。連携するメーカーには特許を公開し、国内外の多くの国で採用され販売された。

全文は10月25日付け4面に掲載

写真は講演する落合氏

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。