NTTアクアを設立

 ドコモグループの法人事業ブランド「ドコモビジネス」を展開するNTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は、ICTを活用した循環式陸上養殖システムの研究・開発・提供を行う子会社「株式会社NTTアクア」を設立し、2024年12月2日より事業を開始した。本システムの提供により陸上養殖事業への参入障壁を下げ「誰もが参加できる陸上養殖」を実現することで、地域の活性化・食糧安全保障の強化へ貢献していくとしている。
 日本の過疎地域は今や国土の約6割、市町村数の半数近くを占めると言われている。人口減少とともに魅力的な働き場所が少なくなった地方から人口がさらに都市部に流出し、少子高齢化が加速するおそれがあるとの指摘もあり、地方に新たな産業を生み出すことは過疎化対策には不可欠とされている。
 また、昨今気候変動や世界的な食料需要の拡大などにより、食料安全保障の強化が国内における喫緊の課題となっている。
 食料安全保障とは、国内における農作物の不作や輸入の途絶などの不測の事態が生じた場合であっても、人が生きる上で最低限必要とする食料の供給を安定的に確保することを指す。
 NTT Comでは、こうした課題を解決する手段の一つとして陸上養殖を提案。陸上養殖は海面養殖と異なり漁業権が不要で参入しやすく、ICTを活用すれば養殖経験がなくても効率よく多くの魚を養殖できる可能性があるほか、廃校などの地域の未利用施設を有効に活用することができるという。
 NTT Comは、陸上養殖の研究開発、種苗生産などを事業とする紅仁株式会社と、2023年から沖縄県大宜味村にて行ってきた共同研究を通じ、ICTを活用した誰もが参加しやすい陸上養殖システムである本システムを開発した。本システムを沖縄県を除く日本全国へ提供するためNTTアクアを設立し、上記課題の解決、さらには魚食文化の持続可能性向上にも貢献していくとしている。
(全文は12月6日付紙面に掲載)

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kobayashi
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