NTTデータ、10月より共同型RPA・AIサービス提供へ

 NTTデータは、RPAやAI―OCRの導入・管理負荷を少なくした共同型RPA・AIサービスとして「スマート自治体プラットフォーム NaNaTsu(ななつ)」を、年8月1日よりトライアル提供を開始し、10月1日より商用化予定すると発表した。10月以降に50業務、20年度中に100業務の自動化シナリオ提供、およびAIを活用した高度サービスを展開し、スマート自治体の実現に向け600団体への提供を目指す。 RPA とは、Robotic Process Automationの略で、人間がコンピュータを操作して行う作業を、ソフトウェアの自動操作によって代替することを指す。第一弾でシナリオ化する対象業務案としては、介護保険業務における審査委員報酬支払の支出命令や保育園入園手続き業務、軽自動車税データ登録業務など多岐にわたる。同社が2018年に茨城県つくば市で行った共同研究では、RPAによる作業時間の削減率は個人住民税、市民窓口業務において79・2%の作業時間削減を確認している。 同サービスは、スマート自治体実現のため、自治体向けAI―OCRサービス「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」とRPA活用サービス「NaNaTsu」を組み合わせた新サービスで、「共同利用環境」「自動化シナリオ・OCR帳票定義」「管理統制サービス」を提供する。AI-OCRとは、従来のOCR技術(Optical Character Recognition/Reader)とAIとを組み合わせ、学習した内容に基づいてルールを発見し、読み取る技術のこと。紙や画像中に記載された手書きの漢字や数字などを、高精度でテキストデータに変換する。同サービスの利用により、従来のRPAやOCRでは不可欠だったユーザーごとのRPAやAI―OCRの環境構築や、業務・帳票ごとのシナリオ作成・OCR帳票定義作成を不要とし、利用料のみでRPAやAI―OCRの導入が可能となる。第一弾として、8月1日より定額給付金やふるさと納税などの20業務分のシナリオ提供を開始する。  昨今の生産年齢人口減少による労働力不足と、Society5・0における技術発展の加速化に伴い、スマート自治体への転換の機運が高まっている。一方で、「初期構築や保守の費用負担」「RPAのシナリオ作成負荷」「IT部門の管理負荷」が大きいといった、RPAやAIを使用する際の導入障壁も顕在化してきた。同社ではこのような課題対応のため、5月に特別定額給付金ソリューションを展開し、1カ月で200団体以上に利用された実績がある。この事例をもとに導入・管理負荷を少なくし、共同型RPA・AIサービスとして、「スマート自治体プラットフォーム NaNaTsu」の開発に至った。 同サービスは、「難しい環境構築不要で共同利用できるRPA/AI―OCRサービス」「管理統制サービス」「個別の業務ごとに技術やノウハウを詰め込んだ自動化シナリオ」「OCR帳票定義」を提供する、これまでのRPAやOCRには無かった新サービスだ。従来のRPAやOCRでは顧客ごとにサーバーの構築や、シナリオの作成、コンサルティング支援等を必要としたが、同サービスではそれらの負担を無くしたことで、過去にRPAやOCRを検討し、本格導入に至らなかった顧客にも活用しやすいサービスだ。また、クラウドセンターとの接続は、LGWAN―ASPサービスを使用しているため、安全な環境で自治体職員のニーズに合わせた活用が可能だ。