フォーラムエイト デザインフェスティバル開催

 フォーラムエイト(東京都港区、伊藤裕二社長)は、「FORUM8デザインフェスティバル3Days+Eve」を11月17日(水)~19日(金)(EVEは16日〈火〉午後6時~午後9時)に、リアルとオンラインのハイブリッドで開催した。リアルの会場は品川インターシティホール(東京都港区)。 Day1(17日)には、オープニングで「FORUM8デザインフェスティバル開催のご案内」を伊藤裕二フォーラムエイト代表取締役社長が行った。要旨は次の通り。  フォーラムエイトは、当初は長大橋とか橋梁の解析設計ツールこういう支援ソフトを開発して橋梁メーカーとそのサービスを行っていました。それから当社のVRソフト『UC―win/Road』が発売されました。おかげさまで当社はこの9月期で過去最高の売上利益を計上できました。これもユーザーの皆さま、関係者の皆さまのご支援の賜物と思っております。直近の調査によりますとこのVR作成ソフトという市場では20%ほどのシェアで当社がナンバーワンとなっています。『UC―win/Road』はいろいろなユースケースがありまして、特に今回はVR国総研ということでこのDX推進のプラットフォームとして活用いただいたり、それからNEXCO中日本の除雪訓練シミュレータを開発しています。もともとは国土強靭化に資するような設計支援ソフト、耐震解析診断ソフトといった社会性が非常に高い、特に国土強靭化の分野で長年活動をしてきました。それを評価されてフォーラムエイトは、国土強靭化への取り組みが『第7回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)』の準グランプリを受賞しました。CGソフトShade3DというソフトはGPUレイトレーシングとかソフトの土木設計関係、土木建築関係の機能BIM/CIM対応機能なども強化しました。それからスイートシリーズ『スイート法人会計』『スイート給与計算』をクラウドで提供しています。それからモバイルPCで法人会計を実装したもの。ゲームの方では『スイート千鳥エンジン』を出しておりましてこれは3Dのいろいろな環境を使えるということに加えてゲームアプリの開発、スマートフォンとかゲーム機ですが行えるようなプラットフォームを提供しています。それから昨年コロナ禍の中で、バーチャルな環境で様々なことができることがさらに必要になってきたことで、当社はFORUM8バーチャルプラットフォームシステムを展開。これはVRとかCGツールを使ってDX時代に必須のバーチャルプラットフォームシステムを構築し利用環境を提供している。バーチャルキャンパス、バーチャルショールームといったものをコンテンツと合わせて提供できるようになっています。こういうことを評価されて経済産業省の令和3年度「産業技術実用化事業費補助金(次世代ソフトウェアプラットフォーム実証事業)」において、『XR技術を用いた次世代コミュニケーションプラットフォーム開発事業』が採択されました。     ◇ 続いて、「第6回自動運転カンファランス」が催された。経済産業省、総務省、国土交通省、警察庁の4省庁の専門家から講演があった。 特別講演2「自動運転の実現に向けた情報通信の動向と総務省の取組」と題して、総務省総合通信基盤局電波部移動通信課新世代移動通信システム推進室長の井出真司氏が講演した。要旨は次の通り。 自動運転社会実現に向けた総務省の取組では、政府におけるITS推進体制において、ITSの推進は、各政府戦略において重要課題として位置付けられており、内閣府及びデジタル庁の下、警察庁、総務省、経産省、国交省等が連携して取り組んでいる。総務省は情報通信環境の整備を行っている。運転支援システムに係る総務省の施策概要をみると、総務省は、関係するステークホルダーとともにITS無線システムの推進に取り組んでいる。周波数割当て及び電波の効率的利用の促進の『制度整備』、新たな無線技術に係る研究・技術調査の『研究開発及び実証』、様々な課題解決に向けた国際的なITSの利用促進の『国際協調』、ITUなどの国際機関における標準化プロセスへの参画の『国際標準化』ーである。そしてITS用無線通信(V2X)における国際的な周波数の状況では、5・9GHz帯へのV2Xシステムへの導入に関する検討が、世界的に本格化している。 周波数アクションプランでは『V2X用通信を導入する場合に必要となる既存無線システムとの周波数共用等の技術的条件について、令和3年度末までに検討』とされている。5・9GHz帯V2X用通信システムに関する技術的検討(総務省施策、令和2、3年度)では、今後見込まれる通信トラヒックの急激な増大に対応するため、次世代V2Xシステムの導入に必要な技術試験(電波関係)を令和2年度から実施する。 次に5G時代のConnected Car、自動運転の展望について。交通信号機を活用した5Gネットワークの構築に関して。交通信号機は、都道府県警察が整備、運用、管理する約21万基の信号機のうち、集中制御が可能な交通信号機は3割程度である。5Gを利用した交通信号機の集中制御エリアの拡大、自動運転社会を見据えた、より安全で円滑な交通実現へ期待されるところだ。こうしたことから、交通信号機を活用した5Gネットワークの構築する。具体的には、交差点周辺の5Gエリア化によるインフラ展開の加速、5Gの特長を活かしたセキュアで遅延の少ない信号機集中制御化の実現。信号機制御にかかる費用の削減を推進する。 「信号5G」にカメラやセンサなども加えることで、5Gエリアの拡大に加えて公共空間のDXが加速。得られるデータをAI解析して活用することにより、交通以外の様々な分野への波及が期待される。     ◇ 午後には、「第20回 3D・VRシミュレーションコンテスト・オン・クラウド表彰式」が行われた。国内外から高度なVRデータ作品が応募される〝3D・VRシミュレーションコンテスト・オン・クラウド〟。土木・建築や交通・自動車分野に加えて、環境、災害対策、教育訓練、医療など、活用分野が広がっている。表彰式ではVRの専門家による詳細な受賞作品解説を実施。今後のUC―win/Roadの進化と可能性を見出すことのできる見どころの多いイベントとなった。 一般投票及び審査員による厳正な審査の結果、グランプリ、2つの準グランプリ、アイデア賞、エッセンス賞、3つの審査員特別賞が決定した。 グランプリ(最優秀賞)は国家災害防救科技センターの「VRによる災害シーン作成及び洪水シミュレーションの解析データ表示」。防災訓練の効果を高めるため、既有の災害情報サイトの洪水演習プラットフォームにVRを導入し洪水シミュレーションを可視化。台湾の?濃渓や清水渓、寶來渓などの3D地形モデルと同センターで開発した洪水警報システムを基に河川氾濫の被害をシミュレーション。360度動画とVR―CloudによりVRデータを公開した。 見どころは、アニメーション「Baolai」を実行すると、寶來渓(高雄市・宝来温泉)の浸水シミュレーションを見ることができる。 UAVによる写真から生成した3D地形モデルと浸水解析データを組合せ、水深コンターも可視化される。浸水範囲、避難所、警察署や消防隊の位置などを確認でき、演習に活用されているイメージを見ることができる。 準グランプリ(優秀賞)は前田建設工業の「交通シミュレーション解析による土砂運搬計画」。同じく準グランプリ(優秀賞)に中日本高速道路株式会社の「高速道路梯団除雪訓練シミュレータ」。 このほかアイデア賞に台北市政府交通局の「交通安全宣伝用ーバス運転シミュレーションシステム」。エッセンス賞にアカマツの「四国初!ニューノーマルな時代へ『アカマツハイブリッド展示会』」。 審査員特別賞〈デザイン賞〉(関文夫審査委員長)は阪神高速道路の「阪神高速1号環状線安全対策周知VR」。審査員特別賞〈地域づくり賞〉(傘木宏夫審査員)に秋田県にかほ市/テクノス秋田の「にかほ市北前船再現VRシミュレーション」。審査員特別賞〈Traffic simulation賞〉(原口哲之理審査員)に国土交通省国土技術政策総合研究所の「インフラDX研究の最先端~バーチャル国総研と4KVRシミュレータ~」。 ノミネート賞は新日本コンサルタントの「新設交通信号機視認性VRシミュレーション」、中国交通運輸部公路科学研究院の「高地山岳高速道路の交通安全VRシミュレーション」、ソウル市立大学校の「好みのタイプの自律走行に関する研究用VRシミュレーション」、ティーネットジャパンの「測量VRトレーニングシミュレーション」、ソーラーカナモリの「乳川小水力発電所計画」の5作品。