
議事録作成支援「eAssistant Minutes」を発売
シャープは、独自のエッジAI技術を活用した議事録作成支援ソリューション「「eAssistant Minutes」(イーアシスタント ミニッツ)」を3月中旬、法人向けに発売する。
「eAssistant」は、シャープの法人向けビジネスにおけるAI活用ソリューション。オフィスやパブリック、リテール、インダストリーと様々なフィールドでハード、ソフトを提供してきたノウハウとAIを融合することで新たなDXソリューションを生み出し、顧客の「働く現場」をアシストすることを目的としている。
「eAssistant Minutes」は、同社独自のエッジAI技術「CE―LLM」により、外部ネットワークに接続することなく、議事録の自動作成を実現した。
本体は、会議室や商談室に設置して使用。会議開催時に、専用のアプリケーションをインストールしたホストとなるパソコンと、社内ネットワークを介して接続することで、会議が始まると、会話を全文即時に文字起こしするうえ、一定量ごとに自動で要約を生成する。ホストパソコンのアプリからはもちろん、他の参加者はブラウザ上で文字起こしや要約された内容をすぐに確認できる。また、話者分離機能も搭載しており、「文字起こし」から「話者分離」、「要約生成」まで、すべて本機搭載のエッジAIで処理するので、ネットワークを介した情報漏洩のリスクを低減している。
会議を終了すると、ホストパソコンのみに文字起こしや要約データ、さらには音声データが自動で保存され、本機内のデータは任意に消去できる。アプリケーション上で、文字起こしされたテキストの聞き返したい部分をクリックするだけで、後からでも簡単に必要な部分だけを聞き返すことが可能となっている。
多くの企業が業務効率化を進める中、会議などの議事録作成には一定の時間を要するうえ、メモを取りながら会議に参加する必要があることから議論に集中しづらいなど、作成者の負担となっている。クラウドAIを活用した文字起こしや要約サービスの普及が進む一方、機密情報が含まれる会議の内容をクラウドにアップすることへのセキュリティ面での懸念から、導入に踏み込めない企業も多く見られる。
こうした背景から、同製品では社外ネットワークへの接続を必要としないエッジAI処理で全ての処理を実現。音声やテキストといったデータをクラウドに送信する必要なく、セキュアに利用可能で本体側にデータも残らないことから、情報漏洩リスクを極力低減させたのが強みとしている。
また同製品はユーザー登録不要で、ユーザーライセンス数やデータ容量、利用回数、利用時間の制限なく利用可能。初期設定なくすぐに使用することができ、会議中は参加者と文字起こしや要約等のデータを共有できる。
主なユースケースとしては、機密情報を扱う会議や各種セミナーや講演会、商談等の対面相談を想定している。
文字起こししたテキストと要約データは、DOCX、TXT、PDF形式で出力可能。オンライン会議ツールとの併用が可能で、オンライン会議ツールを起動するパソコンと本体を付属のオーディオアダプターで接続することで、ローカルとリモート両方の音声入力ができる。
オープン価格だが、本体と専用アプリケーション、導入時設定や5年保証等のサービスを合わせたパッケージは1台につき月4万円前後を予定している。
主な製品仕様は次の通り。
〈本体〉
▽電源:AC 100 50/60Hz▽最大消費電力:約300W▽寸法(幅×奥行×高さ):約100×310×325mm(突起部含まず)▽質量:約5・2kg▽インターフェース:USB3・2(Gen2)Type―A コネクタ×2、USB2・0 Type―A コネクタ×2、LANコネクタ)▽環境条件:温度10~35℃、湿度20~80%(結露しないこと)
〈オーディオアダプター〉
▽寸法(幅×奥行×高さ):約29・3×93・6×15・5mm▽インターフェース:USB2・0 Type―C コネクタ×2▽質量:約45・4g▽電源供給:バスパワー
この記事を書いた記者
- 主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。
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