
AI活用の5G仮想化基地局を開発
京セラ株式会社(谷本秀夫代表取締役社長)はこのほど、AIを活用した5G仮想化基地局の開発を、商用化に向けて本格的に開始すると発表した。2027年を目途に通信インフラ事業に本格参入する方針で、既に海外展開を視野に台湾や韓国など通信機器メーカー6社と新組織「O―RU Alliance」の設立を公表している。
現在、世界規模で急速にDX(デジタルトランスフォーメーション)が進展しているが、それを支える通信インフラとして、5Gモバイルネットワークの普及が拡大している。
こうした動きを背景に、京セラは、国内外で培ってきた独自の通信技術と仮想化技術を用いることで、「NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchip」を活用した汎用サーバー上に基地局機能を実現させる。
また、新たに生成AIを活用し、基地局の高性能化、低消費電力化、保守・運用の効率化を可能とさせる。同社の5G仮想化基地局を世界中の顧客に最適なソリューションとして提供することで、5G通信システムの普及と発展に貢献し、より快適で便利な社会の実現を目指す。今後、さらなる技術革新と市場開拓を進めることで、人々の豊かな社会に貢献するとしている。
現在、通信インフラ市場において普及している5Gの無線ネットワークは主にCU、DUおよびRUで構成されており、それぞれの機器が独立、あるいは一部一体化して設置されている。各機器をつなぐインターフェースは一般に公開されていないため、既設の装置に接続できる機器は同通信ベンダーの機器もしくは一部インターフェースを公開された通信ベンダーの機器しか接続できない状況。通信オペレーターにとって、1社からCU/DU/RUを調達すると、システム安定性向上のメリットはあるものの、その機器の仕様や性能は通信ベンダー側に委ねられているため、システム構築の自由度が狭まるといったデメリットも抱えている。
この記事を書いた記者
- 主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。
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