NEC、顔認証技術を活用したウォークスルーゲートを受注 空港における帰国手続を更にスムーズに

 NECは3月25日、空港における更なるスムーズな帰国手続を可能にする端末として、出入国在留管理庁(入管庁)から顔認証技術を活用したウォークスルーゲートを受注したと発表した。同ゲートは東京国際空港第3ターミナル、関西国際空港第1ターミナル、成田国際空港第3ターミナルにて4月以降順次運用を開始する。
 また、入管庁ならびに財務省税関(税関)の出入国在留管理庁・税関共同キオスク端末「共同キオスク」の設置、税関の税関検査場電子申告ゲートの更新、そして入国・帰国に関する手続についての案内誘導サインを用いた旅客誘導サポートを行う。これにより空港内の更にスムーズな入国・帰国手続を実現し、利用者の利便性と職員の業務効率向上に寄与する。
 訪日外国人旅行者数の増加に伴い、入国審査・税関申告では電子手続を利用する旅客が急増している。さらに今年は大阪・関西万博の開催を予定しており、2030年には訪日外国人旅行者数6000万人という政府目標が掲げられている。このような中、スムーズで効率的な空港での入国・帰国手続が必要不可欠とされ、最先端技術を活用した手続の注目度が高まっている。
 日本国籍を持つ旅客は帰国の際、あらかじめ共同キオスクで旅券情報・顔写真などの提供を済ませておくことで、同ゲートを通り過ぎるだけで帰国確認が可能となり、帰国手続をよりスムーズに行うことができる。また、同サービスでは世界ナンバーワンの精度を誇るNECの顔認証技術を搭載した「Bio―IDiomエッジソフトウェア」を活用しており、高速かつ信頼性の高い本人確認を行うことができる。NECは、米国国立標準技術研究所(NIST)による顔認証ベンチマークテストでこれまでにナンバーワンを複数回獲得している。
 「Bio―IDiomエッジソフトウェア」は、NECの顔認証技術を搭載し、歩きながらでも高速、高精度で顔認証を行うことが可能なソフトウェア。NECプラットフォームズ製「コンパクトボックス型コントローラ」を活用することで屋内外問わず多種多様な環境に導入が可能だ。
 さらに同ゲートは、共同キオスクおよび更新した税関検査場電子申告ゲートと一貫性のある端末デザインと誘導案内を採用している。これにより、日本の玄関口にふさわしい洗練された空間を演出するとともに、利用者の利便性向上に貢献する。
 NECは価値創造モデル「BluStellar」(ブルーステラ)のもと、業種横断の知見と最先端テクノロジーによりビジネスモデルを変革し、社会課題とお客様の経営課題を解決に導く。今後も、安全・安心で便利な世界一の出入国サービス実現のため、利便性の向上に努めていく。
 「ブルーステラ」は実績に裏打ちされた業種横断の先進的な知見と長年の開発・運用で研ぎ澄まされたNECの最先端テクノロジーにより、ビジネスモデルの変革を実現し、社会課題と顧客の経営課題を解決に導き、顧客を未来へ導く価値創造モデル。

写真はウォークスルーゲート

3月31日付け5面に掲載

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。