
古野電気が世界初、リモートでのVDR年次性能試験に成功
古野電気(兵庫県西宮市、古野幸男代表取締役社長執行役員)が提供する船舶向けリモートモニタリング&トラブルシューティングプラットフォーム「HermAce」を使用し、遠隔による航海情報記録装置の年次性能試験(VDR Remote APT)に一般財団法人日本海事協会登録船において世界で初めて成功した。同社が3月25日に発表した。
同社の「HermAce」は、日本海事協会登録船(パナマ籍、マーシャル諸島籍、リベリア籍)におけるVDR APTの代替手段として以前から承認されており、遠隔からのAPTが可能な状態だった。今回、「SOUTHERN CROSS(パナマ船籍、船種:BULK CARRIER、総トン数:10万7450)」でのVDR Remote APTに成功した。試験の成功により、今後デジタル技術を活用した試験手法のさらなる普及が期待されるとしている。
「HermAce」は、船舶に搭載した同社の航海機器や通信機器のデータをデジタルツイン(仮想空間に再現した複製)技術を用いてリアルタイムに陸上で収集・保存・監視するサービス。これにより、障害の原因を素早く把握し、具体的な解決手段に導くことができる。さらに、リモートで監視・保守を行うことで機器の故障予知や予防を図ることも可能だ。また、豊富な経験から得たナレッジを蓄積し、潜在的な課題を可視化することで、航海の安全・安心に貢献する。
「VDR Remote APT」については、VDRのAPTは、有資格者(エンジニア)によって毎年行う必要がある。従来のAPTでは、本船に訪問して動作と航海情報の記録を確認する必要があったが、船舶に「HermAce」が搭載されている場合においては、オンライン環境を使用して事務所にいながらでもVDRデータが正しく記録されているかの確認ができるようになった。また、リアルタイムデータと履歴を活用したリモート診断、定期検査に必要なデータの取得・変換・記載などの準備を行い、エンジニアがログなどのエビデンスに基づいて確認することで、従来と同等の性能試験を実現する。さらに、APT前のプリチェックや、エンジニアの訪船が困難な地域やタイミングでのAPTも可能になる。
4月2日付け5面に掲載
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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