NTTデータが六本木にデザインスタジオ開設

 NTTデータは6月11日、デジタルビジネスのデザインスタジオ「Fluid Experience Design Studio『AQUAIR(アクエア)』」を東京都港区六本木の泉ガーデンタワーに開設した。同スタジオでは、顧客のデジタルビジネスの企画から実証実験・マーケティングまでをシームレスに実現する。Google Cloudの技術や知見に加え、博報堂、乃村工藝社といった技術・マーケティング・空間デザイン等の専門家とともに、顧客の新しいビジネスを実現する。「AQUAIR」は、VRやUIのプロトタイピングスペース、ユーザーへの実証実験のための仮設店舗「CostumeGYM」、各分野の専門家の執務スペース、顧客専用の会議室「プロジェクトルーム」、セミナーやワークショップのための多目的ルーム、ユーザーへのインタビュールーム、ゆったりとくつろげるラウンジで構成される。スタジオでは、コンセプトの可視化、アイデアの具現化、VRや仮設店舗による実証実験、ユーザー分析まで行える。 開設に先立ち行われたオープニングイベントで、技術開発本部長の風間博之氏は「ITが経営に関わる中、デジタルトランスフォーメーションが進められている。デザイン、ストラテジー、テクノロジーを集め、アイデアとして具体化させる場を提供するのが狙いだ。コンセプトの『Fluid』は『流動的な』という意味で、流れるようなデザインプロセスで新しいサービスを生み出す。『AQUAIR』という名は、AQUAとAIRを掛け合わせたもので、私達が生活する中で自然に流れるようなものという意味を込めた。スタジオでは、企画、プロトタイピング、実証実験、マーケティングといった流れを実現できる。例えば、企画段階でどう視覚化していくか。ムービーやバーチャルリアリティ、模型等でアウトプットできる。仮設店舗もこの場でつくれるので、実証実験を行ってマーケティングまで行える。各フェーズで評価する技術を掛け合わせて、この場で提供できる。店舗を使いながら顧客の動線や視線を検証でき、その結果を踏まえてマーケティングを行える。また、ビジネスコンサルティング等の専門家が集う。NTTデータはシステムインテグレーションを行う。サイバーとフィジカルが融合する空間をどうつくるかが課題だが、博報堂、乃村工藝社と連携しながら成果を出していきたい」と話した。 「AQUAIR」の特長は次の3つ。「Blooming Technologiy」では、最先端の技術で、まだ世の中にないアイデアを試せる。Google Cloud等が提供する最新技術を使ったプロトタイピングが可能。NTTデータグループ等のエンジニアが、スタジオやリモートサイトにて最新技術の導入を支援する。「CostumeGYM」では、ユーザーの意見をすぐに把握できる。実証実験のための仮設店舗では、ユーザーの反応を確認することが可能。VRやリアル空間によるプロトタイピングと実証実験、ユーザーの行動・感覚の分析、マーケティングへの応用まで支援する。空間デザインは乃村工藝社、マーケティングへの応用は博報堂が携わり、デジタルサービスの実現を支援する。「NTT DATA Design Network」では、グローバルの情報が活用できる。同スタジオは、海外のNTTデータグループのデザインスタジオ(10拠点)と連携している。グローバルの事例・ノウハウの共有、国を越えたプロジェクト結成が可能。グローバルの先進事例を取り入れ、専門家との交流を図りながら、より広い視野によるビジネス検討を支援する。