NEC、生体認証ブランド「Bio―IDiom」の説明会

 NECは、4月18日にNECイノベーションワールド(東京都港区)で、生体認証ブランド「Bio―IDiom」(バイオ・イディオム)の説明会を開いて、田熊範孝執行役員が会見した。その後、生体認証デモ体験会を行った。 「NECの生体認証について」と題して説明した田熊氏は「NECの生体認証は顔認証、指紋・掌紋認証、声紋認証、虹彩認証、指静脈認証、耳音響認証の6つ。これらを組み合わせるマルチモーダル認証技術がNECの強みのひとつだ。NECの生体認証によってパブリックセーフティ、デジタルガバメント、スマートトランスポーテイションを提供する。具体的なソリューションは、パブリックセーフティが犯罪者指紋照合、ウォッチリスト顔認証、出入国管理、市中映像監視。デジタルガバメントがなりすまし防止、詐欺検知、市民サービス向上。スマートトランスポーテイションがチケットレス、個別サービス、One ID。この3分野で2020年にグローバルで2000億円の売り上げを見込んでいる」と述べた。 そして同社は、NECの生体認証ブランドを「「Bio―IDiom」としたと発表。「NECは1960年代のOCR技術である『郵便宛名読取り区分機』から半世紀にわたり生体認証の研究開発を続けてきた。今後もさらに柔軟で信頼できる生体認証を提供し、世界中の人と人、人と社会をつなげ、より安心で豊かな未来を創っていく」と述べた。 導入事例として同社は世界50の空港に生体認証を導入していることや、英サウス・ウェールズ警察、インド固有識別番号プログラム、米ロサンゼルス郡保安局犯罪捜査システム、アルゼンチン・ティグレ市中監視システムなどを紹介した。空港での旅客を中心とした生体認証の活用イメージでは、搭乗プロセスにおけるパスポートチェックレスの実現『One ID Platform』を紹介した。 田熊氏は「マルチモーダル認証で誰もが使いやすくなる、高精度・高セキュリティのソリューションとなる。さらに、生体認証技術に映像分析による意味づけを加え価値を創出する」とし具体的には群集行動解析、遠隔視線推定、性別・年齢推定、映像分析といった映像分析技術を挙げた。 さらに、同社は4月1日にセーファーシティソリューション事業部とセーファーシティ営業本部、バイオメトリクス研究所を発足させた。人員規模はこれらで1000人規模。バイオメトリクス研究所は中央研究所のデータサイエンス研究所を独立させて強化したもの。 「さまざまなバイオメトリクスを持っていることそのものが当社の強み。その中の組み合わせによる総合力が発揮できる」と強調。「Bio―IDiomをグローバルに展開する。6つの生体認証技術、さらに映像分析等の強みを組み合わせ、ワンランク上の価値を創出していく」とまとめた。