NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに5G無線局免許を付与―総務省

 総務省関東総合通信局(古市裕久局長)は7月31日、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクから申請された第5世代移動通信システム(5G)用無線局(基地局及び陸上移動局)に対して免許を付与した。総務省はNTTドコモ、KDDIから提出された「第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画」に対して、平成31年4月に周波数を指定して認定を行った。関東総合通信局は、当該開設計画に基づき申請された5G用無線局について審査したところ、電波法令に適合していると認められたので、5G用無線局(基地局及び陸上移動局)に対して、同日免許を付与した。NTTドコモは、9月からプレサービスを実施し、令和2年春頃から一般のサービスを開始する予定。KDDIは、本年夏以降トライアルを実施し、令和2年3月からサービスを開始する予定。ソフトバンクについては、関東総合通信局は基地局に対して予備免許を付与し、陸上移動局に対しては免許を付与した。今後、ソフトバンクの基地局については、工事完了後に電波法第10条に基づく落成検査により、電波法令の基準への適合を確認し、免許を付与する。 各社の無線局(基地局)の概要は次の通り(①局数②設置場所)。▽NTTドコモ=①計54局。3・7GHz(3600MHz~3700MHz):12局、4・5GHz帯(4500MHz~4600MHz):21局、28GHz帯(27・4GHz~27・8GHz):21局②東京都千代田区、千葉県浦安市、神奈川県横浜市ほか▽KDDI=①4局:3・7GHz帯(3700MHz~3800MHz)②埼玉県さいたま市ほか▽ソフトバンク①1局:3・9GHz帯(3900MHz~4000MHz)。工事落成の期限は令和2年1月30日。 また、各社は全国に無線局を整備する計画で、各地方総合通信局から、NTTドコモとKDDIは免許、ソフトバンクは予備免許を付与された。無線局の概要は次の通り。▽NTTドコモ=北海道札幌市中央区、豊平区(11局)、宮城県仙台市青葉区(3局)、石川県金沢市、白山市(14局)、愛知県豊田市、静岡県袋井市(83局)、大阪府東大阪市、兵庫県神戸市兵庫区(20局)、広島県広島市中区、東広島市(9局)、香川県高松市(9局)、大分県大分市、沖縄県那覇市(16局)▽KDDI=広島県(1局)、福岡県(6局)▽ソフトバンク=福島県田村市(1局)、福山市(4局)、九州(9局)。 NTTドコモの田村穂積ネットワーク本部長は「来春の開設計画に向け、開発・整備を進めている。2020年度中に全国の主要な市町村に5Gの展開を進める。5Gプレサービスを提供するラグビーワールドカップ会場に8ヵ所に基地局を整備する予定。また、パブリックビューイングや5Gを体感できる場所も用意している。5Gで期待されている地方創生や地方の課題解決に応えるべくサービス展開することが日本の国力強化になる」と話した。 KDDIの赤木篤志技術企画本部長は「開設計画に基づき、順調に進めている。当初の段階ではエリアは少ないが、2020年度に向けて全国の主要都市において使用できることを目指して進めていきたい。5Gの円滑なサービス提供のためには基地局のシェアリングは避けて通れない。5Gの大容量・低遅延といった機能を生かしながら、B2Bではアライアンスを組みながらデジタルトランスフォーメーションを実現する。コンシューマ向けではSociety5・0の世界を実現すべく対応していく」と語った。 ソフトバンクの宮川潤一副社長兼CTOは「来年3月にサービスインするように準備を進めている。開設計画よりも5割増しのスピード感で、2020年度中に日本全国でサービスを体感できるように進めている。5Gがもたらす産業へのインパクトを考えると、都会だけではなく、全国津々浦々へ5Gの展開が必要なので、1企業の営利目的だけではなく、日本の将来を考えて各キャリアと提携して迅速にインフラを整備する。5Gによって、ヒトとヒトのコミュニケーションのツールからモノとモノ、産業を結び付けるようなインフラに構造が変わるため、エリア展開のイメージを拡大する必要がある。世界の中で日本の競争力を高めるために、産業カバレッジの視点でインフラづくりを考え直さなければならない」と話した。