セーフィー、現場と管理センターを通話で結ぶカメラ

クラウド録画サービスシェアナンバーワンのセーフィー株式会社(東京都品川区、佐渡島隆平代表取締役社長CEO)は、店舗・オフィス向けクラウドカメラ「Safie PRO(セーフィープロ)」、作業現場向けLTE搭載クラウドカメラ「Safie GO(セーフィーゴー)」、LTE搭載ウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket2(セーフィーポケットツー)」を展開している。 「Safie PRO」は、カメラをインターネットにつなぐだけのクラウド録画カメラ。いつでもどこでもパソコン・スマートフォン・タブレットで映像を見ることができ、セキュアに管理できる。クラウド録画システムにより、専用サーバーがいらず録画機の故障・データ破損の心配もない。バックアップの手間や設置スペースも不要だ。アプリでどこからでも映像の確認ができるだけでなく、複数人でシェアして映像を管理することもできる。〝見える化〟により現場へ行く手間を省く。高画質HD録画で30fpsの動画を常時保存する。デジタル8倍ズームもでき、細部まで鮮明に確認できる。 「Safie GO」は、コンパクトサイズで置く場所を選ばない。従来の類似製品と比べてもコンパクトな設計なので、現場間の持ち運びも楽々だ。カメラとLTEルーターが一体となっており、建設現場など電源はあるがインターネット環境がないといったシーンに最適。LTEルーターに通信キャリアのSIMが入っているので、電源をさすだけでインターネット環境がすぐに立ち上がってカメラを使用できる。ネットワーク(LTE通信)が切断されても、自動でSDカードに録画されるので安心。手持ちのスマートフォンやパソコンから24時間いつでも見られるため、現場に行かなくても作業進捗がわかる。HD画質×最大30fpsで映像がきれい。タイムラプス動画作成で、レポート用動画も簡単作成。ナイトモードで夜間の映像も鮮明に映し出す。防水防塵モデルで屋外に設置可能。屋外の河川監視に最適だ。 「Safie Pocket2」は、現場で装着・設置して撮影した映像を、遠隔からリアルタイムで確認し会話もできる。ライブ通信・クラウド常時録画オーケー。撮影した動画・写真はSafieクラウドに30日間分保存される。後日振り返りや、データのダウンロードもできる。「Safie Pocket2」も機器の中にSIMが入っており、インターネット回線もオールインワンとなっている。バッテリーは最大8時間稼動で、スマートフォンのような電池切れの心配もない。IP67防水・防塵、耐温度によりスマートフォンでは故障・熱暴走のリスクのある建設現場のようなタフな現場でも問題なく利用できる。現場従事者が身につけることも、三脚やアタッチメントに取り付けて簡易設置することも可能だ。電源を入れ、カバーを下ろすだけで録画が開始され、録画中にフルHD写真を撮影することも可能。本部からは、遠隔で現場の映像を視聴したり、装着している現場従事者と会話できる。     ◇ アライアンス戦略室の林俊伸氏は『セーフィーが防災業務にもたらす変革』について説明した。 林氏は「オンプレミス型カメラを活用している自治体における課題は次の通りです。オンプレミス型は、レコーダーとモニターがあって、それぞれのカメラとレコーダーが1対1でつながっているため、レコーダーがある場所でしか映像が見られません。映像確認をしようにもレコーダーがあるところに見に行かなければならないため、拠点間で映像データが共有できず、情報収集コストが多くかかっています。他にも大容量の映像を残そうとすると、レコーダーのハードディスク容量を大きいものにしないといけない。防災の観点でも市民が映像を活用できない。災害時に柔軟に設置できず大きな被害のあった箇所の映像を重点的に見たいと思っても、既設カメラで見られる範囲しか確認ができないといったデメリットがあります。そのようなオンプレミス型カメラと比較し、セーフィーのカメラは、クラウド上に映像を保存するため多拠点×多カメラ×多人数の映像データ共有が可能になります。PC、スマートフォン、タブレット等でSafieクラウド上の映像を閲覧してもらうことでいつでも、どこでも映像を見ることができます。またウェアラブル端末やLTEルーターを搭載した機器などは設置場所を選ばないため、追加設置も容易です。複数台のカメラの映像を複数人で見ることができる点も強みになっています。オンプレ型のカメラで課題になっていた、映像が共有できず、一部の人間しか見られない、見たい映像が取得できないといった課題を解決できます。効率的な映像連携によって情報収集する時間が短縮されることにより、自治体での意思決定の迅速化につながってきます。今後、セーフィーではクラウド上にある映像を外部のベンダーのAIと連携するなどして、映像のさらなる活用ニーズに応えたいと考えています」と述べた。 セーフィーは『映像活用ステップ』をベースに防災におけるユースケースの進展を次のように想定している。 ステップ1「防犯・監視」では受動的な映像活用。具体的には街の防犯カメラのようななにかが起こった際に映像を確認するような活用。 ステップ2「遠隔確認」では能動的な映像活用。具体的には遠隔地(本部・自宅)から複数の河川の状況を確認するような活用。 ステップ3「映像×既存防災業務ツールの連携」では自治体の防災システムにカメラ映像を組み込み一元管理するような活用。 ステップ4「映像×AIによる課題解決」では河川の水位をAIで自動判定のうえ氾濫リスクを自動算定するような活用。 ステップ5「業界・社会課題を解決(全国への横展開)」ではステップ4までで構築した防災業務への映像活用の型を横展開し、全国どこでも高水準の防災情報提供を受けられる体制を作ることを目指す。 「この映像活用ステップは、セーフィーがクラウドカメラの導入をお客様に提案する際、順番にステップを踏んで映像活用を進展させていきましょうと提示しているものになります。建設・小売業界等では既に実績があり、これを防災業務に置き換えるとどのようになるのか今回示しました。実績のある小売業界を例にこのステップの詳細を説明しますと、ステップ1が『防犯・監視』ということで受動的に映像を活用する使い方になります。なにか起こった時に見る形なので、小売店舗で例えれば、万引きがあった時に状況を後から確認するという使い方になろうかと思います。ステップ2は『遠隔確認』でなにが起こった時に見るのではなくて、自分から映像を見に行く活用になります。小売店舗に置き換えると怪しい動きをしている人がいないか映像で確認して、そういう人がいた場合現場に店員が確認しに行く。そして、先手をうつことで万引きを防ぐ。このように自分から能動的に映像を活用しようとするのがステップ2です。ステップ3では、お客様がすでに使われているツールと連携して映像をより活用しやすくします。ステップ1、2と何が違うのかというと、ステップ1、2は当社のビューワーから映像を見ていただいているのですが、もし店舗業務ツールをすでに導入されていた場合、現場の方が店舗業務ツールも使うしセーフィーのビューワーも使う、こうなるとツールが2つに分かれてしまうため、非常に業務がしにくくなります。映像活用をより業務に落とし込んでもらいたい一方、煩雑にならないようにするために、店舗業務ツールの中でセーフィーのカメラの映像を見ることができるように組み込みます。方法としては弊社で提供しているAPIで弊社のクラウドから映像を取り出し、お客様のサービスクラウドに連携してもらうことで実現します。ステップ1、2で業務に使えることを確認した後には、業務のやり方を一本化することで手間なく映像を見て活用していただくことを目指します。やはり人間は手間がかかる業務はどんどん形骸化してしまうため、そこで業務ツールと連携することにより手間なく活用できるようにすることによって、さらに深く業務に入り込んでいけるようになる、それがステップ3への進展です。ステップ4になってくると、映像とAIを掛け合わせて課題解決をする。人が映像を見るだけではなく一歩先に行ってAIに映像を分析させて、映像そのものではなくAIが導いた結果を人が判断材料として使うというステップです。これによって人が実施していた判断という業務もAIに代替することができるようになります。ステップ5になってきますと、例えば小売店舗ですと万引きというのは小売業界共通の課題ですので、その解決に向けて業界内で横展開する。そうすることで、業界全体の業務のやり方を変革するステップになっています。これらを防災に置き換えるとどのようになるでしょう。ステップ1では、例えば過去映像の振り返りという活用になります。実際に被害があった際の保険金申請の証拠として映像を提出するという活用をイメージしていただければと思います。ステップ2では、だれでも映像閲覧可であるYouTubeへ映像連携し自治体だけでなく市民も災害が起こる前に河川の状況を確認することができ、避難等の判断ができるようになりました。ステップ2までは防災において既に実用化されている案件となっています。ステップ3以降は、防災におけるユースケースとしてはまだ実用化されていないのですが、河川の映像監視においては、河川水位をAIで検出する、河川がそろそろ危ないと自動検知して通知するところまで早期に実現したいと考えています」(林氏)。     ◇ 続いて、セーフィーのクラウドカメラの導入事例をセールス&マーケティング本部マーケティング部部長布井雄一郎氏に聞いた。 茨城県美浦村(みほむら)役場での導入事例では、氾濫しやすい河川周辺地域の安全のためにクラウドカメラ映像をYouTubeに連携しリアルタイム配信している。リアルタイム配信により迅速な状況把握が可能になると同時に、過去からの状況変化の推移も含めて確認でき周辺避難判断にも役立っている。 これまでは画質が悪く、ある一定間隔の静止画しか見れないことが課題として挙げられていた。専用カメラ・専用システムを構築する必要があり運用コストが高いこともある。それに対して美浦村ではSafie導入で過去映像も含めた映像配信とコスト削減を同時に実現した。YouTubeを通じて職員も住民も〝安全な場所〟で河川の状況を確認できるようになっている。 布井氏は「今回、導入いただいた『Safie GO』は、屋外設置型のLTE内蔵のカメラで、LTE回線が繋がるところであれば、電源を挿すだけでその瞬間から映像がクラウドに上がります。その映像をPCやスマートフォンから見ることができる。クラウドカメラとして河川状況確認で最適な機種となっています。『Safie GO』で河川を常時撮影して、その映像をYouTubeで配信することで、増水の状況がリアルタイムに確認ができるので安心・安全です。現場に行かなくても、危険なエリアを〝俯瞰〟して見られることは、災害を防ぐ切り口からも非常に有効と考えています」と述べた。     ◇ また、千葉市での『避難所の状況をリアルタイムに把握』するというユースケースの実証実験についても説明した。 例えば、避難所が開設されたら「Safie Pocket2」を設置すればカメラの電源を入れるだけでリアルタイム配信および録画が行える。地震、水害などの災害時に避難所の現地情報を映像で本部へ連携することでスピーディーで正しい対応に役立つと考えている。 「今回、ユースケースの1つとして想定したのは避難所の状況を映像で把握することでした。どこがいつ避難所になるかわからないので、固定設置型のクラウドカメラをあらかじめ導入するというよりはポータブルで必要なところへ持って行って電源を入れたらすぐに運用可能な『Safie Pocket2』が有効だと考えられるため、実証実験の対象となっています。」(布井氏)。 このほか、電柱倒壊、倒木による道路封鎖の現場からも映像で本部へ配信することも想定される。管理画面では、全現場を一覧で見やすく、ページの表示方法も自由にカスタマイズ可能。また、本部では各地区からの被害状況を映像によりモニタリング(遠隔確認)、的確な遠隔指示も行なうことができる。「セーフィーのクラウドカメラでは、複数台のカメラで撮ったとしても、ひとつの管理画面上で一元管理できるので、複数の拠点にカメラを配備もしくは持参しても全現場を一覧で見ることができます。もし災害が発生した際、ウェアラブルクラウドカメラ『Safie Pocket2』によりリアルタイム映像で現場と本部を繋ぎ、本部との適切なコミュニケーションが行えると想定されます。千葉市様からは、LTE搭載・ウェアラブルクラウドカメラ『Safie Pocket2』の設置に関して「手軽である点」を評価いただきました。『Safie Pocket2』はポータブルタイプで、どこに持ち歩いてもすぐに運用でき、固定型のように取り付け工事もいりません。LTE通信の機能があって、電源を入れればすぐにクラウドにつながって映像を見られます。『Safie Pocket2』の最大の特長は、トランシーバー感覚で映像を見ている側と現場にいる側で音声通話で話すことができる点です。現場側に対して『現在、現地の状況はどうですか』といった確認作業をリアルタイムに行うことができ双方向でコミュニケーションが取れるのが大きなメリットです」(布井氏)。