NICTなど、光学メタサーフェスを用いた小型高速光受信器を開発
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)のネットワーク研究所フォトニックICT研究センター、東京大学大学院工学系研究科、浜松ホトニクスの3者は、高速光受信器の新規構造を実証することに成功したと発表した。光の波長よりも小さな微細構造からなる光学メタサーフェスを用いることで、垂直に入射された信号光を偏波成分毎に分岐すると同時に受光器アレイに集光し、高速に検出できることを初めて示した。偏波状態も含めた光の情報を高速に受信するには、これまでは、多数の光学部品を複合的に組み合わせたり、複雑な光回路を用いる必要があり、モジュール全体の低コスト化を妨げる要因になっていた。さらに、大容量化に向けて多数のチャンネルを集積することが求められるが、従来構造では1次元方向に並べるしかなく大規模並列化も困難だった。これに対して今回の成果では、光学メタサーフェス技術を用いることで、直径が2㍉㍍、厚さが約0・5㍉㍍の薄い素子を1枚挿入するだけで、強度のみならず光の偏波情報も高速に検出できる受信器を実現した。垂直入射型素子のため2次元並列化も容易であり、将来のデータセンターやビヨンド5Gネットワークの構築に直結する技術だと期待される。(全文は5月24日付け1面に掲載)
この記事を書いた記者
最新の投稿
- 実録・戦後放送史2024.09.02連載にあたって
- 筆心2024.09.022024年8月26日(第7712号)
- 放送ルネサンス2024.09.02放送100年特別企画 「放送ルネサンス」第1回
- 放送2023.09.01ビデオリサーチ 災害情報入手経路の7割が地上波民放テレビ