JEITA新会長に小島氏(日立製作所)

一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)は6月1日に開催した「第13回定時社員総会」において、時田隆仁氏(富士通 社長CEO)が認可満了で会長を退任し、新たに小島啓二氏(日立製作所 社長兼CEO)が会長に就任した。任期は1年。 会長就任の記者会見で小島新会長は、「国際情勢や社会が目まぐるしく変化したこの1年間、社会全体のデジタル化を促進する、Society 5.0の実現に向けた事業活動をはじめ、国際連携や課題解決など、さまざまな取り組みに尽力いただいた、時田・前会長に感謝申し上げたい。 前身である団体の設立から数えて、JEITAは今年で75周年を迎える。社会とテクノロジーの進化と共に歩んできた歴史の重みを感じつつ、バトンを引き継ぎ、JEITA会長の責務を担っていく。 ここ数年の社会の変化を俯瞰して振り返ると、大きく3つに集約されるとみている。 一つ目は新型コロナを契機としたデジタル化の加速。特に日本ではこれまで難しいとされたリモートワークが広く導入され、社会全体で大きな行動変容が生じている。アフターコロナで人の交流は戻りつつあるが、デジタルによる社会・経済の変革は、AIをはじめとする技術の急速な進歩によって、今後ますます加速していくだろう。 二つ目は企業行動に対する価値認識の変化。気候変動や人権への取り組みなど、経済価値以外のものも的確に把握し、開示することが企業価値に直結する時代となった。取り組みを見える化するにあたり、デジタル技術の活用が必要不可欠となる。 三つ目は経済安全保障の確保。企業1社だけでは解決が難しいサプライチェーンの問題が顕在化している。例えば半導体においては、経済安全保障など国の安全保障を確立する上で半導体はキーコンポーネントとなり、日本政府により、我が国の半導体製造基盤の強化、サプライチェーン強靭化の政策が進められている。地政学リスクの高まりから、経済安全保障に対する取り組みは待ったなしの状況にある。 大きな社会変化、そして急速なテクノロジーの進化により大きな転換点に直面している今、JEITAは、デジタル産業を代表する業界団体として、社会からの期待に応え、責務を果たしていかなければならない。JEITAとして注力し、目指すところを3つお伝えさせていただく。(全文は6月9日付け1面に掲載)