パナソニック、正確な色再現を実現した有機CMOSセンサ
パナソニック ホールディングスは、有機膜の高い光吸収率による光電変換層の薄膜化と、電気的な画素分離技術により、混色を抑えた、良好な色再現技術を開発したと発表した。同技術では、光電変換を行う有機薄膜と電荷蓄積および読み出しを行う回路部を完全独立に設けた独自の積層構造により、緑、赤、青の各画素において、対象外の波長域では感度を抑え低混色な分光特性を達成できることから、光源の種類によらず正確な色再現が可能になるという。従来のベイヤ配列のシリコンイメージセンサは、緑、赤、青の色分離性能が十分ではないため、例えば、シアン光やマゼンタ光のような特定波長にピークをもつような光源下では、正確な色再現、および色の認識や判定が困難だった。同社の有機CMOSイメージセンサは、光を電気信号に変換する光電変換部を有機薄膜で、信号電荷の蓄積および読み出しを行う機能を下層の回路部で、それぞれ完全独立に行う構成となっている。これにより、従来のシリコンイメージセンサとは異なり、シリコンの物性によらない光電変換特性を持たせることが可能。さらに、高い光吸収率をもつ有機膜により薄膜化を実現した。画素の境界部には電荷排出用の電極を設けることで、画素境界部の入射光による信号電荷を排出し、隣接画素からの信号電荷の侵入を抑制する。(全文は3月27日付け3面に掲載)
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