NEC、光海底ケーブル敷設へ連携

 NECは、日本、中国、香港、フィリピン、タイ、シンガポール、ベトナムを結ぶ大容量光海底ケーブル敷設プロジェクト、ADC(Asia Direct Cable)のシステム供給契約を締結したと発表した。契約先はソフトバンクを含むグローバル通信事業者など8社からなるコンソーシアム(共同事業体)で、2022年末に完成予定。 ADCは総延長距離約9400kmの光海底ケーブルで、最新の光波長多重伝送方式を採用し、設計容量は毎秒140Tbps以上となっている。ケーブルの敷設により、5Gをはじめ、クラウドサービス、IoT(Internet of Things)、AIなどにより増加する東南アジア・東アジア間の通信需要の増加に対応する。また、最新の光伝送技術を活用することでアジア地域のネットワークの冗長性の確保、高信頼な通信の実現、回線需要変化への柔軟な対応にも貢献することが期待される。 同社は、過去50年以上にわたり海底ケーブルシステム事業を手掛ける海底ケーブルのトップベンダー。地球7・5周分、延べ30万kmを超える敷設実績があり、特に日本を含むアジア・太平洋地域で強みを有している。また、陸上に設置する光伝送端局装置・光海底中継器・光海底ケーブルなどの製造、海洋調査とルート設計、光海底ケーブルシステムの据付・敷設工事、訓練から引渡試験まで、全てをシステムインテグレータとして提供している。 なお、ケーブルの製造を担当しているのは、同社子会社であるOCC(神奈川県横浜市、伊藤友一社長)。日本で唯一、深海8000メートルの水圧に耐えられる光海底ケーブルを製造可能だ。