NICTなど 多数の低軌道衛星が喪失に至った原因を解明

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)と大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(ROIS)国立極地研究所、成蹊大学、九州大学の共同研究グループは、2022年2月上旬に発生した数十基の低軌道衛星を大気に落下させた磁気嵐の発生メカニズムを分析した。さらに磁気嵐による大気密度増加をシミュレーションすることで、数十基の低軌道衛星が大気へ再突入して喪失に至った原因を明らかにしたと発表した。太陽風観測データの解析結果から、太陽のコロナ質量放出が2つ重なって地球に到来し、それが変則的で予測し難い磁気嵐の発生につながった可能性を示した。大気のリアルタイムシミュレーションは、高度200㌔㍍において従来の理解より広い範囲で大気ドラッグが増加する結果を示し、大規模でない磁気嵐でも低軌道衛星の運用に影響することを明らかにした。(全文は1月18日付けに掲載)