NECとニッスイが養殖魚の体長測定自動化ソリューションを共同開発

 NECは、日本水産(ニッスイ)との共創により、ニッスイが持つ養殖技術に関する専門的な知見と、NECの持つAI・IoT技術を活用し、ブリを対象とした養殖事業を効率化するソリューションを共同開発したと発表した。 世界的には急激な人口増と食の多様化により、2030年には約3000万トンの魚介類が不足する見通しで、この不足分は養殖生産物で補われることが想定されている。一方、現在の養殖業における適切な給餌量や漁獲高を推定するための魚の体長・体重測定は、直接網で掬い上げて測定したり、生簀内の撮影映像をコマ送りし測定対象魚の測定点を一尾ごと手作業でプロットして測定しているなど、ICTによる測定業務の効率化が求められている。 今回の共創は2017年より取り組みを開始し、ニッスイのブリ養殖事業所・黒瀬水産(宮崎県串間市)において、魚の体長及び体重の自動分析にNECのAI技術を活用することで、生簀全体での成長状態の把握などの検証を行ってきたという。 今回開発したソリューションでは、水中カメラで撮影した魚群の映像から、AI技術により測定対象魚を検出し、同時に測定点を自動的に抽出、その測定点に基づいて尾叉長や体高を自動測定。さらにこれらの値から、魚体重換算モデル式を用いた魚体重の算出が行えるもの。 非接触測定による正確な魚長・魚体重測定の価値提供に加え、測定作業の機械化・自動化により人手作業と同等以上(個人差なし)の処理を、作業時間を大幅に短縮して実現することにより、人は人が行うべき付加価値の高い業務に集中することができる。 このソリューションは、NECが「魚長等測定自動化サービス(仮称)」として対象魚種をマグロにも拡大。2018年度下期よりクラウドサービスとして提供する。