セーフィーが新製品発表会 エッジAI搭載クラウドカメラ発売
クラウド録画サービスシェアナンバーワンのセーフィー(東京都品川区、佐渡島隆平代表取締役社長CEO)は、8月4日に大崎ブライトコアホール(東京都品川区)でのリアル開催及びオンラインの同時開催で「セーフィー新製品発表会」を開いて、店舗運営の課題解決に役立つエッジAI搭載クラウドカメラ「Safie One」(セーフィーワン)を発表した。 セーフィーは、小売・飲食などの店舗を運営する業態に向けて、映像データを活用し業務効率化や省人化などの課題解決に貢献するエッジAIカメラ「Safie One」を9月28日に発売する。新製品はリアルタイム性の高い画像処理を実現する。エッジAIを利用した「AI―App」(アイアップ)をインストールして、利用するカメラ。「AI―App」を利用することで、ユーザーの用途に応じてカメラのアプリケーションが切り替えられ、カメラがどんどん賢くなっていく。 まずは、賢くなるカメラのアプリケーション「AI―App」の第一弾として、小売・飲食などの店舗運営に役立つ「Store People Detection Pack(ストア・ピープル・ディテクション パック)」を同時に提供する。内包される各機能(立ち入り検知、通過人数カウント、立ち入りカウント)により来店人数や混雑具合を可視化し、現場の課題解決につなげることで、映像から〝働く〟を変え、より効率的に人が働ける環境を提供する。 これまで同社が提供してきたカメラは、小売・飲食業で広く利用されてきた。 同社が8月2日に発表した「スーパーでの買い物に関する調査」の結果によると、レジ待ちの長さや混雑、品揃えや欠品が理由で利用する店舗を変えたことがある人が約半数(50・2%)と、混雑や欠品が機会損失を招いていることがわかった。 また、惣菜コーナーでは従業員の約半数が惣菜・弁当の売れ残りが多いと思っており、買い物客は3人に2人が「なるべく食ロス対策をおこなっている店舗を利用したい」と思っているなど、フードロス対策を実施することが店舗のイメージアップや販売向上につながることがわかった。 こういったことからターゲットは主に小売・流通業をメインとし、これまで各店舗において課題となっていた複数の〝不〟を映像データで解決することを目的として、ヒアリングと検証を重ねながら開発したもの。 開会挨拶後、セーフィーの佐渡島隆平代表取締役社長CEOが会社紹介、製品紹介を次のように行った。 セーフィーは2014年にできた会社。社員数は320名、東京証券取引所グロース市場に上場している。この8年で急成長を遂げており、特徴はソニー、キヤノン、セコム、NTT、三井不動産など大手企業と共に株主または協業をしながら事業を展開してきた。カメラを使って映像をプラットホーム化していこうと展開している会社である。私どもの行っている事業はこのクラウド上に様々な街中のカメラから映像をデータとして集めて、そのクラウド上に集まるデータから新しいアプリケーションを生み出していく。そういった事業。課金のカメラの台数は14・7万台あって、キヤノン、NTTなどとチームを組んで新しい市場を一緒になってつくってきたそういった会社になる。 このクラウドモニタリング・録画サービスシェアで、私どもは2020年で47・5%のマーケットシェアを持っている。大手を凌駕しているというのが、私どもが持っている市場になっている。なぜ、このようにしっかりと市場を取れるのか。これは私どもの技術開発力であり、技術的ポイントは①クラウドドリブンなカメラOS②強固なセキュリティ③誰もが使える高品質なUI―UX④拡張性高いプラットフォームの4点。顧客評価ポイントは高品質・低価格サービス、拡張性の高いサービス、圧倒的な販売網の3点。実はカメラの中に入るファームウェアも私どもで開発してメーカーに渡す。お客様からすると、非常に強固なセキュリティーで誰もが使えるUI―UXを提供している。拡張性の高いAI含めたプラットフォームが実現できている。これによってこれから発表するこのエッジAIの世界も、私どもはもともと見据えて開発してきたので、来るべき時代がエッジAIになってくるということで、大きな発展を遂げるためにこの仕組みは成り立っている。 建設現場であったり、製造・公共の業態もクラウドはあたり前という世界がどんどんできている。例えば大手ファストファッションの会社でも荷物の受け取りをカメラでやろうと。今までクラウドカメラを防犯で使うことはあたり前だったが、例えば、朝、遠隔で仕事状況を見ることや、オペレーションそのものを変えていく形で、様々な現場で建設現場であれば、遠隔から仕事を見守ってそれを施工管理していく。公共でも災害現場にカメラを置いて災害復旧を見守っていくなど、そういった新しい使い方がどんどん広がってきている。 私たち創業者メンバー3人は、創業当初から『誰もが簡単に使える賢くなるカメラ』を作りたいというのが、私たちのそもそも事業のコンセプトになっている。その賢くなるカメラというのが、ずっと我々が目指してきて、この8年かけて実現した。デバイスをどんどんアップデートしてパーソナライゼーション、個別化していく思いで、私どもはクラウドに映像は貯めつつも、エッジのコントロールをしっかりしていこうという開発方針で行ってきた。この思いをひとつにまとめたのが発表したエッジAIを搭載したクラウドカメラ「Safie One」である。リアルタイムで自動で処理できるし、さらにはアプリケーションをこの上にどんどん加えてユーザーが思うようなアプリケーションをこれから用意していこうと計画をしている。私どもはエッジでAIが動かせるフレームワーク「AI―App」を独自開発し、「AI―App」搭載カメラを世の中にたくさん広げていこうと考えている。その第一弾がこの製品である。このフレームワークを使って、様々なアプリケーションを開発していただく、それがアプリプラットフォームとしての構想である。 続いて、セーフィーの石川貴夫「Safie One」プロダクトマネージャーが新製品を次のように紹介した。 「Safie One」は、開発当初からこの3つのコンセプト、『賢くなる・置くだけで使える・空間がつながる』というコンセプトをもとに開発してきた。『賢くなる』カメラとは、カメラにインストールできるアプリ「AI―App」の第1弾のアプリとして、店舗の管理者向けのアプリケーション「Store People Detection Pack」(ストア・ピープル・ディテクション・パック)」をリリースしている。2つ目のコンセプト『置くだけで使える』は、「Safie One」は従来のSafieの特長である簡単に使える特性をさらに強化している。多彩なアダプターにより、自身の好きな場所に設置することができる。また、無線LANが強化されているので、従来より安定したネットワーク環境を実現している。また、インターネット環境がない場所でも、別売りのLTEドックを購入することで電源を用意するだけでクラウドカメラが利用できる。そして3つ目のコンセプト『空間がつながる』は、ブルートゥース対応でマイク・スピーカーを自由に配置することができ、様々なシーンでの音声取得が可能になり、離れた場所とのコミュニケーションがより円滑にできる。 続いて、セーフィーの小室秀明執行役員マーケティング本部長と、「Safie One」導入企業であるベルク(埼玉県鶴ヶ島市、原島一誠代表取締役社長)の原田裕幸取締役システム改革部長、島澤豊デジタル推進室次長の3名によるパネルディスカッションが開かれた。 今後、セーフィーに期待することとの問いに原田氏は「セーフィーとの最初の出会いは、店舗のオペレーションを改善するヒント、気づきを見つけられないか、から始まった。昨今DXと言われているが、セーフィーの画像をリアルではなくて、画像を通して作業とか売り場を見ることによって見えなかったものがこれだけの量が見えるんだということは様々出ている。これを簡単にIT化するとか、右のものを左に置くつもりは全くない。スーパーマーケットは売り場はすごく進化している。華やかにどんどん進化しているが、残念ながら後方であったり、数値の捉え方は、まだまだ旧態依然の業態である。イノベーションをカメラを通じて起こして、より生産性の高く、お客様に愛されるスーパーマーケットにセーフィーと共同して行っていければと思う」と述べた。 続いて、ゲストの漫才コンビ「カミナリ」(竹内まなぶさん、石田たくみさん)が登場。佐渡島社長とトークセッションを行った。
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