センスウェイが「LoRaWAN」IoT通信サービス
センスウェイ(東京都中央区、神保雄三社長)は、「LoRaWAN」を使ってIoTの通信サービスを提供している。IoT通信サービスである「SenseWay Mission Connect」を中心としてデバイスからアプリケーションまでワンストップで提供している。「SenseWay Mission Connect」と『ソリューションサービス』の2つの形態でサービスを提供している。センスウェイのサービスは、センサーデータは全て暗号化されて送信。高セキュリティなネットワーク環境を安価に利用できるのが大きな特長だ。 「SenseWay Mission Connect」は、LoRaWANのネットワーク網を提供。検証済みのデバイス、アプリケーションを選択し、LoRaWANを利用したIoTシステムを自由に構築できる。サービス提供範囲はゲートウェイ、LoRaWANネットワークで、デバイス、アプリケーションはユーザー資産として管理される。カスタマイズ可能。検証済みのデバイス、アプリケーションを自由に選択できる。費用面ではデバイス費用、アプリケーション費用、ネットワーク費用、システム構築費用等となっている。 一方の『ソリューションサービス』は、パッケージソリューションを提供。利用シーンに合わせたデバイス、アプリケーションもセットでの提供となるため、すぐに導入できる。サービス提供範囲はデバイス、アプリケーション、ゲートウェイ、LoRaWANネットワークで、一部を除き、デバイス、アプリケーションは同社にて管理される。パッケージ化されたデバイス、アプリケーションのみ利用できる。費用面では基本料金、デバイス費用等となっている(ソリューションにより異なる)。 平田健志プラットフォーム事業部マネージャーは「SenseWay Mission Connect」の特長を次のように話した。 「『SenseWay Mission Connect』は、IoTをもっと身近に、もっと手軽に利用できるよう、LoRaWANの特長を活かした 利用しやすいサービスとなっている。特長は高セキュリティ、低価格、豊富なデバイスの3点。『高セキュリティ』では、デバイスから送信されるデータは全て暗号化され、国内のサーバーで運用されている。2段階のセキュリティで暗号化しているので最も安全な環境になっている。また、閉域網を利用したプランなども用意し、よりセキュリティを重視するお客様に提供している。『低価格』では、国内最安値、月々ゼロ円から。ランニングコスト不要で利用可能のため、気軽にIoTを開始できる。用途に合わせて、月額基本料金、通信料金をゼロ円から利用可能なバリュープラン、お客様専用のセキュアな閉域のネットワーク環境で利用可能な閉域プライベートプラン、他社経由もしくは自社で用意したデバイスで利用可能なオリジナルプランを用意している。また、設置場所に合わせたゲートウェイをレンタルで提供している。屋内用(Wi―Fiモデル)、屋外用を用意している。こちらも使いやすい形で毎月千円程度から利用できる。『豊富なデバイス』では、80を超える検証済みの認定デバイスを提供しており、温度湿度センサー、CO2センサー、人感センサーなど用途に合わせたデバイスを選択できる。100社を超えるパートナーと連携している」。 一方の『ソリューションサービス』の導入事例を紹介すると、温度管理ソリューション『サーマルコネクト』は温度、湿度の管理に特化したソリューションサービス。手間のかかる、食品やフロアの温度管理を自動化する。温湿度センサーを工場や店舗の室内や冷蔵庫に設置。閾値を設定し、設定温度を超えた際にアラートを送信する。トイレIoTソリューション『トイレットマスター』はオフィス等のトイレの利用状況を可視化する。より快適なオフィス環境にすることで、社員の満足度向上につながる。トイレの個室のドアに開閉センサーを設置し、利用状況をリアルタイムで把握。フロアのトイレの利用状況を可視化し、テナントの社員が確認できる。施設管理ソリューション『ファシリティコネクト』は、建物の状況を遠隔で自動検知することで、定期点検の工数を大幅に削減できる。ドアや窓に開閉センサーを設置。ドアの開け閉めを監視する。電力設備の周りにロープ型の漏水検知センサーを設置。定時のアラート送信でセンサーの正常稼働を確認できる。漏水を検知した際はアラートを送信し、現場に訪問する。 ◇ ここからは『ソリューションサービス』のひとつ『ワーカーコネクト』をピックアップして紹介する。これは、バイタルセンサーで健康状態をリアルタイムで検知することで、不測の事態にも迅速に対応できる。ウェアラブルデバイスで心拍、転倒情報、位置データなどを収集し、ゲートウェイでセンスウェイIoTプラットフォームに送信、アプリケーションでデータ表示、異常値をアラート送信する。 「『ワーカーコネクト』は、〝作業現場の安全管理は身軽・手軽にIoTで〟を謳った『現場作業員の熱中症・転倒を検知するウェアラブルIoTソリューション』。腕時計型のセンサーで作業者の状態を迅速に把握する。安価なランニングコストで熱中症のリスクを大幅に削減する。工場等では電波干渉がありセンサーデータの送信が難しく、手動でのデータ収集を行っていた。また、無線での場合でもセンサーの数が多くなると、ゲートウェイの設置が増え、管理コストがかかっていた。LoRaWANを利用することで、他の電波の干渉を受けづらくなり、センサーデータを確実に受信できる。また、ひとつのゲートウェイで対応できるセンサー数も多くなり、管理コストを大幅に削減する」(平田氏)。 仕組みは次の通り。作業者が腕時計型のセンサーを身につけ、心拍等のデータを送信。作業者の転倒時にはアラートを送信。不測の自体が起こった時も迅速に情報を把握できる。心拍、皮膚温度等で閾値を設定し、監督者にアラートを送信する。 「熱中症・転倒のリスクに特化したソリューション。熱中症死傷者数は建設業・製造業が高い結果となっている。職場での事故は、転倒・墜落が1位となっている。作業員の見守りの課題として次の3点が挙げられる。ひとつは『個々の体調管理が行えない』。個々の体調は個人差があって働く環境もそれぞれ違ってきめ細かい管理は行えていない。2つ目が『機器設定や管理』。Bluetoothの場合、スマートフォンも一緒に持ち歩かなければいけない。荷物が増えてしまうのは現場の人が嫌がる。そういった機器が増えると必然的に機器管理や保守管理も必要で、煩雑な設定も手間が増えてしまう。3つ目は『ランニングコスト』。スマートフォンの場合、初期費用や通信費も上がってしまうので課題となっていた。『ワーカーコネクト』は一人ひとりに時計型センサーを付けてもらい心拍数と皮膚温度を測り、体調管理に活用できる。LoRaWANのゲートウェイがあればスマートフォンは必要ない。当社で設定したものを送るので初期設定も不要。接続設定もいらない。ゲートウェイもほぼ1台で大体の場所がカバーできる。20台あたりで9800円、最安だと490円から使えると安価なシステムとなっている」(平田氏)。 転倒検知の仕組みは次の通り。 ①一定以上の加速度を検知②10秒間停止状態が継続③センサー側で転倒検知をバイブレーションで通知④センサーでアラート送信ボタンを押す、もしくは30秒間放置した場合にアラートを送信。 また、アプリケーション「KOKOCHI VITAL」によってマップ表示、アラート機能、作業員・センサー情報管理、レポート表示といった複数のバイタルデータを一元管理できる。オプションでビーコンを使った屋内の位置情報表示が行える。このほか、アラート送信をメールに加えて、SMS・音声通知によって行うオプション機能も備えた。
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