NAB Show 2018開幕

 全米放送事業者協会が主催する「NAB Show2018」が4月7日~12日(機器展示会は9日から)に米国ネバダ州のラスベガスコンベンションセンター(LVCC)で開幕した。NAB Showは、メディア、エンターテイメント、テクノロジーをテーマに最新技術が一堂に会する世界最大の放送機器の展示会で、161カ国から約10万3000人が来場し、1700社以上が出展した。展示会初日の9日に北ホールのメインステージで開かれたオープニングは、シルク・ドゥ・ソレイユの華麗なショーで幕開けした。イベントの司会はBeasleyメディアグループCEOのCaroline Basley氏が務め、冒頭、オープニングイベントを主催したブラックマジックデザインのDan May会長が挨拶した。続いて、NABのゴードン・スミス会長が「放送業界の現状」をテーマに開会の挨拶を行った後、下院の住宅エネルギー・商業委員会のグレッグ・ウォルデン委員長と、放送業界に対する現行法律とその潜在的影響について議論した。 展示会場では、メディアとエンターテインメントの未来を形作るトレンドとして、5G、4K8K、AI、機械学習、IP、HDR、AR、VR、サイバーセキュリティ、コネクテッドカー、ストリーミング等の画期的な技術に注目が集まった。 パナソニックは、放送・映像制作ソリューションからスタジアム向けスポーツ映像ソリューションまで、多彩な映像ソリューションを提案した。パナソニックブースでは、「放送局・ライブイベント制作向けゾーン」「映画・ドラマ・番組制作向けゾーン」「Web・会議室・文教・イベント向けゾーン」「スポーツ制作向けゾーン」の4つのソリューション提案に加え、「MoIP」や「HDR」等のコア技術を紹介するゾーンによる展示を行った。「放送局・ライブイベント制作向けゾーン」では、新開発の大判4・4Kセンサーを搭載し、2/3型レンズマウント対応の高画質な4Kスタジオカメラ「AK―UC4000シリーズ」や、新たにライブ出力対応を実現した「4Kシネマカメラ「VARICAM LT」を展示した。加えて、P2 CastやP2 Bridgeによる「P2ワークフロー」、参考出展として「MoIPによるIPネットワークソリューション」を紹介した。「映画・ドラマ・番組制作向けゾーン」では、VARICAMシリーズをはじめ、新たにALL―Intra、RAW出力に対応した「EVA2・0」、Cinema4K/60p動画記録が可能な「ミラーレス一眼カメラ LUMIX DC―GH5S」と、用途に合わせて幅広く選べるシネマカメララインアップを紹介した。ダークセットコーナーではVARICAM、EVA1/WonderLookPROオンセットグレーディングデモなど、実際の運用に合わせたデモンストレーション展示を行った。 「Web・会議室・文教・イベント向けゾーン」では、PTZカメラを中心にしたソリューションを展示した。LANケーブル1本で映像・音声や制御信号等を伝送できるNewTek社のNDI|HXに対応した新商品のPTZカメラ「AW―HN130W/K、AW―UN70W/K、AW―HN70HW/HK」と「ライブプロダクションセンター AV―HLC100」を紹介した。また、複数のPTZカメラをPCで一括コントロールできるようにする「PTZ Control Center」(無償ソフトウエア)やネットワーク上のリモートカメラをUSBカメラとして使用できるようにする「PTZ Virtual USB Driver」(無償ソフトウエア)も展示した。「スポーツ制作向けゾーン」では、スタジアムを少人数で撮影できる「8K ROI(Region of Interest=切り出し)技術」を今回初めて展示した。 主な出展内容は次の通り。▽シネマカメラレコーダー「VARICAM」ラインアップ▽コンパクトシネマカメラ AU―EVA1▽ミラーレス一眼カメラ LUMIX DC―GH5S▽4Kスタジオカメラ AK―UC4000シリーズ▽放送局向けP2ワークフロー▽MoIPによるIPネットワークソリューション(参考出品)▽NDI|HX対応リモートカメラ ラインアップ▽ライブプロダクションセンター AV―HLC100▽PTZ Control Center▽PTZ Virtual USB Driver▽8K ROI(Region of Interest=切り出し)技術。