NAB Show 2018 ソニーがCrystal LED

 ソニーはNAB Show2018に出展し、CrystalLEDディスプレイシステムを展示した。CrystalLEDディスプレイシステムは、独自開発の極めて微細なLEDを使った、ユニット構成型のスケーラブルなディスプレイシステム。既存のディスプレイでは表現しきれない高画質と没入感で新たな領域の映像体験を可能にする。幅約40㌢、高さ約45㌢のディスプレイユニットに11万5200画素敷き詰められたCrystalLEDは、開発思想、製造手法ともに、これまでのLEDディスプレイデバイスとは全く異なるアプローチによって開発された。画面表面にR/G/Bの極めて微細なLED素子を配置した画素を、画素ごとに駆動させる自発光のディスプレイ方式を用いており、RGBを1画素とする光源サイズは0・003平方㍉㍍と極めて微細なため、画面表面の黒色が占める割合を99%以上に高めることができ、素子の広配光性能等と合わせることにより、高コントラストと広色域の豊かな映像表現を可能にする。「ultrafineLED」と呼ぶ微細なLEDの光源サイズは、人間の髪の毛の断面よりも小さく、従来の表面実装型のSMD(SurfaceMountDevice)パッケージに比べ、およそ1/100のサイズまで抑えられた。極めて微細なLED素子とその集積化によって100万:1以上の高コントラスト比を実現。さらにHDRに対応しており、鮮明な映像表現が可能となる。外光による乱反射によって黒浮きを誘発しやすいLED素子が1画素に占める割合はわずか1%未満で、残りの99%以上を黒いエリアが占めることで、黒占有率が30~40%にとどまるSMDパッケージと通常の外光環境下で比較すると、コントラスト性能の差は30~50倍になる。画素単位で点灯・消灯を制御できる自発光制御とも相まって、漆黒を再現するその映像からは、非常に奥行き感のあるリアリティーを堪能することができる。独自の画素駆動回路により、高速動画応答性能に優れており、最大120fpsのフレームレートで映像表示が可能で、速い動きも非常になめらかに表現できる。 新開発1・25型8Kイメージセンサーを搭載した8K3板式カメラシステム「UHC―8300」は、イメージセンサーとプリズムの組み合わせにより、高解像度8K(7680×4320)で最大120pの高速撮影や、広色域でハイダイナミックレンジ(HDR)に対応した映像撮影が可能。スポーツシーンからエンタテインメント、学術映像に至るまで、幅広い用途で豊かな映像表現を実現する。「UHC―8300」は4K映像やHD映像の制作用途にも幅広く使えるよう、8K/4K/HD信号の同時出力に対応している。4K/HD制作機器と連携したシステム構築も可能。また、8K映像から任意の4K映像を切り出して運用できる4Kカットアウト機能を搭載し、4K映像表現の可能性や制作の用途がより広がる。また、B4レンズアダプターと組み合わせれば、将来的にはB4マウントレンズが装着できるため、スポーツシーンなど高倍率のレンズが必要な制作現場においても、撮影に適した 4Kレンズを幅広い選択肢から選べる。 キヤノンは、CINEMA EOS SYSTEMの最上位機種「EOS C700 FF」を展示した。新開発のフルサイズセンサー搭載により高画質の映像表現を実現する。新製品は、「EOS C700」(2016年12月発売)の優れた基本性能やモジュールデザインを継承しつつ、新開発のフルサイズセンサーを搭載したデジタルシネマカメラ。低ノイズ・高感度の高画質な4K映像を撮影でき、ハリウッド映画に代表される映像制作業界をはじめ、映画、ドラマ、テレビCM、ミュージックビデオなど映像制作現場におけるプロの高いニーズに応える。デジタルシネマカメラ用に新開発された38・1×20・1㍉のフルサイズセンサーを搭載しており、センサーから得られる豊かな映像情報を活用し、オーバーサンプリングによる4K/60P映像の本体内記録が可能。さらなる低ノイズ、15ストップを超える広い階調性、次世代放送規格「ITU―R BT.2020」を上回る色域を備えており、高画質な映像表現を実現している。また、「デュアルピクセルCMOS AF」により、高い合焦精度が求められる撮影時でも、撮影スタイルに合わせて高精度なピント調整をすることができる。映画特有の2・39:1のアスペクト比で映像を撮影できるアナモフィックレンズに対応するほか、70種類以上のEFレンズ・EFシネマレンズとの組み合わせにより、高画質で多彩な描写力を発揮する。スーパー35㍉より大型のフルサイズセンサーと、高い光学性能を持つレンズを組み合わせることで、より被写界深度の浅い美しいボケ味を生かした印象的な映像表現を実現する。 また、キヤノンは4K放送用カメラ対応フィールドズームレンズのラインアップを拡充し、高い機動性を備えた中望遠レンズ「UHD―DIGISUPER66」を展示した。新製品は、2/3型センサーを搭載した4K放送用カメラに対応する光学性能でありながら、倍率66倍で焦点距離600㍉の中望遠撮影に対応しており、幅広いシーンでの活用が可能。シフト式光学防振機構の搭載に加え、従来のHDTV放送用フィールドズームレンズと同等の機動性と運用性を兼ね備えており、屋内外でのスポーツ中継や中規模中継車等での使用においても取り回しが良く、安定した映像を提供することができる。キヤノンは、4K放送用カメラに対応するフィールドズームレンズのラインアップを拡充することで、幅広いユーザーの要望に応えていく。