NECと慶應義塾、将来のCO2抑制量を金融商品化する新たなアプローチ

 NECと慶應義塾は、防災による将来のCO2排出と抑制量に着目した新たなカーボンクレジットの取り組みについて2月6日にオンラインで会見した。森田隆之NEC執行役員社長兼CEO、伊藤公平慶應義塾長、池谷彰彦NECデジタルテクノロジー開発研究所長が共同会見した。 両者は、産学連携を通じたオープンイノベーションによる脱炭素社会の実現に向けて、防災・減災による将来のCO2抑制量を算出・可視化し、金融商品化(クレジット化)することで市場取引を実現する新たなアプローチ「潜在カーボンクレジット」を共創し、社会実装に向けて推進していくと発表した。 NECと慶應義塾は、将来の発生自体を防ぐことができない自然災害によるCO2排出とその抑制量に着目し、防災・減災によるCO2排出の抑制量をカーボンクレジットとして市場取引が可能なインセンティブに転換する今回の新たなアプローチにより、企業や政府、自治体などによる脱炭素に向けたESG投資(環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう投資のこと)の促進と防災・減災対策を目的とした投資の活性化に貢献する。今後、「潜在カーボンクレジット」の社会実装に向けて、防災ソリューションの拡充、CO2抑制量の客観性・透明性を確保するための研究、そしてカーボンクレジット市場取引を実現するための金融商品化の整備などを加速するため、業種・分野の枠を超えた企業や大学、政府、自治体などのパートナーを募り、2023年度のコンソーシアムの設立を目指す。(全文は2月10日付5面に掲載)