NECがiEXPO2017を開催

 NECは、11月9日・10日に、東京国際フォーラム(東京都千代田区)において、AIやIoTをはじめ最先端のICTソリューションとこれを支える最新技術・製品を紹介する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2017」を開催した。 今年のテーマは、「Orchestrating a brighter word~デジタルトランスフォーメーションで共に創る未来~」。国内外の第一人者による講演をはじめ、74のセミナーではNECの製品・サービスを導入したユーザー事例やNECの事業戦略・各種取り組みなどを紹介した。また、60の展示では最新のソリューション・製品・技術を紹介した。 「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2017」展示コーナーからピックアップして紹介する。 『高齢化に伴う医療現場の課題をAIで解決する取り組み(AIによる病院オペレーション効率化)』は、患者の不穏行動に対する安心・安全を求められる領域、医療従事者の働き方改革が求められる領域(応用領域は介護、セキュリティ、保険)向けのソリューション。医療現場におけるリスクマネジメントの課題と、それに起因する入院の長期化などの課題をAIで解決する。異種混合学習による退院支援では「NEC the WISE」により退院先を84%の精度で予測するという。機械学習による不穏検知では「NEC the WISE」により不穏予兆を平均40分前に71%検知するという。 仮想空間を活用したエニィタイム・エニィウェアな実習訓練『VR教育実習ソリューション』は、バーチャルリアリティ(VR)を活用した仮想空間における教育・訓練により、これまでにない実習効果を提供する。例えば『不測事故対応訓練』は臨場感のある日常の仮想現場において、不測の事故が発生した場合の対処方法について学ぶケース。会場では、360度画像により臨場感のある消火体験を実現する『VR消火体験シミュレータサービス』のデモンストレーションを行った。消火訓練では、消火器を用いるものの、スマートグラス(映像は火災の模様)を使って模擬的な消火(消火液は出さない)を行い、その操作方法を体感学習できるもの。消火器操作と画像が連動し、炎の画像が変化する。正しい消火活動ができたのか得点が表示される。消耗品を気にせず何度も訓練ができる。 ハードウェアを使った新世代顔認証~群集をリアルタイムに認証可能~「NeoFace Accelerator Platform」は、ハードウェアによって顔検出を最大20倍高速化する。NECの世界ナンバーワン顔認証AIエンジン「NeoFace」エンジンを搭載した専用ハードウェア・アクセラレータを開発し、負荷の高い顔検出を大幅に高速化する。顔検出処理をハードウェアにオフロード。従来のソフトウェア処理に比べ、サーバ数は削減。サーバ1台あたりで処理できるカメラ台数が大幅に向上し、コスト・消費電力の低減を実現した。高精細4Kカメラでのリアルタイム顔認証も実現する。駅や空港・スタジアムなどの大勢の人が集まる場面で顔認証を活用できる。 映像鮮明化サーバ「DDH Server」は、ソフトウェアベースでFull―HD動画のリアルタイム映像鮮明化を実現する。HD―SDI/SD―SDIにより入力された映像を1フレームの遅延でリアルタイムに鮮明化する。フレーム単位で画像処理するため、動きの激しい映像に対してもその効果を発揮する。また、映像の撮影シーン(霧・もや、逆光、暗所)を自動で判定する自動シーン判定機能により、その映像に適した補正量の調整を自動で行うことが可能だ。鮮明化のモードを自動調整に設定することで、以降はユーザ操作レスでの運用が可能だ。さらに、Webブラウザ接続により、リモートから設定変更等のサーバ制御を行うことが可能だ。さまざまな操作もWebブラウザ経由で行える。 このほか、カメラの映像だけでは分からない異常な状況(悲鳴、破裂、衝突等)を音で検知することが可能な『音状況認識技術』を活用し、将来活用が期待される防犯・監視用途でのケースを紹介した。 NECの顔認証技術を活用し、通常のカメラで撮影した目の周囲の特徴点を特定して、高精度に視線方向を検知する『遠隔視線推定技術』も紹介した。視線の向きに応じてコンテンツが変化する体験デモを実施した。