宇宙システムなど強化 三菱電機20年度経営戦略説明会
三菱電機は1日、2020年度の経営戦略説明会をテレフォンカンファレンス形式で開催した。杉山武史社長、皮籠石斉常務が出席した。 今年度は、新型コロナウイルス感染症が世界経済の先行きに著しい悪影響を及ぼすものと考えられ、経済成長率は前年度と比べ大幅に減速することが見込まれている。同社の業績にも大きな影響を与えるものと想定し、雇用維持を基本としつつ業績への影響を極小化できるように対応する。 同社の経営戦略は、「多様化する社会課題の解決に向け、100年培った経営基盤の強化に加え事業モデルの変革により、ライフ、インダストリー、インフラ、モビリティーの4つの領域において、グループ内外の力を結集した統合ソリューションを提供する」である。この経営戦略に基づき、社会課題に解決に向けたか馳走創出を追求するとともに、すべての企業活動を通じて世界共通の目標であるSDGsの17の目標達成に貢献する。 同社の2019年度実績は、売上高が4兆4625億円、営業利益が2596億円、最終利益が2218億円。今年度の売上高予想は、新型コロナウイルス感染症の影響を反映する前は4兆5400億円だったが、影響を加味して4兆1000億円に変更した。情報通信システムの売上高予想は、4100億円から4000億円に変わり、家庭電器の売上高予想も同様に1兆1000億円から9900億円になった。 また2013年度実績からの振り返りも実施し、情報通信システムでは事業ポートフォリオを見直したことがプラス要因だったものの、宇宙部門においては小型の商用衛星の計画増加に伴って大型衛星の需要が減ったことがマイナスに働いた。家庭電器では、北米・欧州等の高付加価値市場で需要を獲得できたものの、中国での競争激化や需要構造の変化に対応が遅れたことを指摘している。 経営基盤を強化する事業群として、情報通信システムのなかで宇宙システム、防衛システム、ITソリューションを挙げている。なかでも宇宙システム事業は幅広い分野にまたがる衛星システム製品群により、グローバルな社会インフラ構築に貢献する。具体的には、観測衛星データを利用したソリューションビジネスを通じて、地球温暖化防止、気象現象・地球環境の監視強化、災害状況把握、防災への貢献や、高精度な測位情報の提供、各地域の通信・放送インフラの発展を指向する。 また、新たな生活スタイルに向け、遠隔/無人システムへの期待の高まりやオンラインでの対面ニーズの向上などに対する総合ソリューションの提供も掲げている。
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