ダックビル 検温機能付入退館システム 1台月額1万1500円から
ダックビル(東京都江東区、寺越寛人代表取締役)は、健康状態を加味した入退館(入退室)の制御を行える検温機能付き顔認証入退館システム「FacePassCam(フェイスパスカム)」を6月1日から発売した。 同システムはAIによる顔認証に加え、体表温度(体温)の計測も同時に行える。サーモセンサを上部に取り付けたスマートフォン型の筐体に顔をかざすと体温が表示される。 大きな魅力は値頃感のある価格設定だ。月額利用料金(税別)でスタンドアロン版が月額1万1500円から(1台あたり)。クラウド連携版が月額3万600円から(1台あたり)。契約期間は3年間。 顔写真登録代行サービス、固定グローバルIP付き4G―SIMルータ、アプリAPI連携、個別ドア制御信号、Wiegand信号連携といった豊富なオプションも設けた。 「企業の感染症BCP(事業継続計画)整備の重要性がいわれている。大災害やパンデミックといった脅威が起こっても、企業はビジネス・コンティニュイティ(業務継続)しなければいけない。そのためにIoT、AI、クラウドを利活用した検温機能付き顔認証入退館システムを製品化した。『FacePassCam』は、マスクを着用しているかどうか、入館人数は現在何人か、体温が高くないかどうか、AI顔認証でこの人が会社の人間なのかどうか。これらの確認機能が組み合わさった同業他社にはない画期的な製品となっている」(ダックビル)。 「FacePassCam」の基本機能は▽非接触体表温度計測▽マスク着用非着用AI認識、発報▽体表温度異常時に音声アラーム発報▽入退場時刻、体表温度情報の記録▽体表温度測定者の写真撮影、保存▽インターネットからのログ取得。 「FacePassCam」は幅広い拡張性を備えた。セキュアな通信回線を用いた他クラウドアプリとの連携(勤怠管理や出面管理、出欠管理等)、異常検知時(発熱やマスクの未着などを検知)のメールへの発報、電気接点の制御による自動ドアやゲートの開閉制御等が行える。 具体的には、所属組織、氏名、体表温度や入退館時間ログを本体に記録。撮影した測定データは専用SIM(固定IP)からスマートフォンへ送信される。しきい値を超えた際は管理者に対し、メールによるアラートを送信する。各種個別システム(クラウド)へは、撮影した測定データは専用SIM(固定IP)を使って送信されて入退館時間、氏名、体表温度データ、入退場ラップなどを取り込む。電気接点を通じて顔認証体温検知や滞留人数で入場ゲートでの入退館を可否判断する。 「検温して37・5度以上など熱がある場合、メールで発報する。入館した人のログデータを取っておいていつでも確認ができる。顔認証機能も加えたので入館のセキュリティ管理が同時に行える。企業ではあらかじめ入館できる人を顔認証登録しておいて、入館ゲートでの部外者等が出入りしないかの管理と、同時にマスクを着用しているかどうかおよび社員の発熱の有無を簡単に把握して管理ができる。会議室の入室管理で事前に登録していない人は入室できないといったこともできる。学校では教室の前に置く。そのクラスの生徒や学生が入室したかどうかわかる。その中に体温異常があった人がいなかったかログデータで把握できる。先生には緊急で熱発報メールが届く。新型コロナでは濃厚接触者のデータも取りやすいのではないか。閉鎖空間において、感染者の近くにその時間何人いたかもログで解析できる」(同)。 仕様は▽OS:Linux▽カメラ機能:顔認証速度0・2秒以内、2Mピクセル(フォックスコン・テクノロジー製)▽体表温度計測範囲、計測精度:32度~41度、プラスマイナス0・3度以内▽マスク着用検出:マスク着用、非着用を自動認識、通知▽保存データ件数:顔データ3万人、検温履歴15万件▽使用環境:気温マイナス30度C~70度C、湿度90%以下▽通信方式、外部出力方式:RJ45、LTE(オプション)、RS232C、ドア磁気信号入力、Wiegand、オーディオ出力▽サイズ:247(L)×127(W)×26・6(H)(mm)―となっている。 同システムは、イーサネットなど様々な接点端子を備えた。Wiegand(非接触カードリーダー認証装置標準規格)対応でセキュリティゲートと連携する。RS―232C(中低速のシリアル通信で普及している通信規格)も対応。A接点(電気回路が通常は切れており特定の動作により回路が繋がるシステム)も対応。自動ドアの開閉あるいはパトライトの点灯も可能。 想定している利用シーンは▽マンションエントランス自動ドアの入退館管理▽クリニックやショップの入退館管理▽工事現場の出面管理▽美術館や博物館での滞留人数調整▽会議開始前のマスク、体表温度確認▽会議室の入退室管理―など。 「マンションなどの建設工事現場で、外国人労働者が多い建設作業員に対して近隣住民が不審を抱くケースもあると聞く。今は新型コロナの感染者ではないかという不安もある。『FacePassCam』を導入することで、そういった従業員管理と健康管理が同時に行える。『IP67』規格なので、こういったタフな現場でも適用する。一方、大災害が発生した際の避難所での『3密』の不安が報道されているが、『FacePassCam』を導入することで健康状態を加味した入退館の制御が行える」(同)。 お問い合わせはfpc@duckbuild.jp 担当:喜多
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