5G SAスライシングで全国高校野球選手権大会の中継技術実証に成功 KDDI
KDDIは、朝日放送テレビ、ソニー、ソニーマーケティングとともに、8月6日から開催された第105回全国高校野球選手権記念大会において、5G SA(5Gスタンドアローン、5G基地局に5G専用に開発したコアネットワーク設備を組み合わせるシステム)の商用ネットワークでSLA(サービスレベルアグリーメント、上り下り帯域)の保証型ネットワークスライシング機能を活用した野球中継の番組制作の実証試験に成功したと発表した。この実証で伝送した映像は地上波放送とBS4K放送、バーチャル高校野球での中継に使用された。
実証ではソニー提供のHEVCコーデックを用いた低遅延トランスミッター(カメラ映像を低遅延・高画質かつ高圧縮し伝送するための装置)の試作機、5G対応スマートフォン、カメラを組み合わせ、5G SA商用ネットワークでカメラ本線とリターン信号(カメラマンが放送中の映像を確認するための送り返し信号)のライブ映像伝送とカメラ制御を実施した。混雑したスタジアムかつ機器の異常が起きやすい真夏の暑い環境においても、低遅延で安定した映像音声伝送が可能であることを確認した。
同実証の構成によりケーブル取り回しが不要でコンパクトな構成ながらも高品質な映像・音声伝送を実現できるため、映像制作の幅が広がることが期待できる。今後、さまざまなスポーツ映像制作・中継技術のさらなる進歩に寄与する。
(全文は9月22日付2面に掲載)
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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