鉄道技術展2023 NECは顔認証改札(ゲートレス型・ポール型)など出展

「第8回鉄道技術展2023」(Mass―Trans Innovation Japan 2023)が11月8日~10日に幕張メッセ(千葉市美浜区)にて開催された(主催・産経新聞社、オーガナイザー・シー・エヌ・ティ)。後援は国土交通省、文部科学省、千葉県、千葉市、独立行政法人日本貿易振興機構など。同時開催は「第5回 橋梁・トンネル技術展」。
「鉄道技術展」は、鉄道・交通システムやインフラ技術、施設、電力、輸送、運行管理、車両、インテリア、旅客サービス関連他あらゆる鉄道分野の技術が横断的に会する総合見本市として2010年から開催してきた。「鉄道技術」のジャンルは多岐の分野にわたり、その製品・技術・サービスの向上・効果が鉄道だけにとどまらず、最終的には地域活性・街づくりにまでつながっていくものだ。同展には様々な分野の最新技術が出展され、基調講演・特別講演、セミナーなど鉄道業界の「今」「一歩先」「未来」をテーマにした併催企画も催された。
3日間の総来場者数は3万4878人(前回〈2021年〉の来場者数は2万4717人)。

NECは「第8回鉄道技術展2023」に出展し、「鉄道イノベーション」「Smart Future」をテーマコンセプトに、顔認証技術を活用した未来の駅改札のデモ体験や、AIを活用したオペレーション・メンテナンス業務支援など、各種展示を行った。
▽顔認証改札(ゲートレス型・ポール型)&デジタルチケッティングソリューション▽交通介助支援ソリューション▽運転整理支援ソリューション▽鉄道車両/設備ソリューション(列車巡視支援・車両外観検査・光学振動計測)―などを展示紹介した。
顔認証改札(ゲートレス型・ポール型)ソリューションでは、NECの顔認証技術を活用した改札およびチケットのデジタル化による改札機レス・券売機レスといった新しい改札の姿を紹介した。
NECは、世界ナンバーワンの顔認証技術を活用した『これからの駅の在り方』を提案した。同社の『ゲートレス型顔認証改札』の特長は、カメラ1台で一度顔を捉えれば、服装や体形を追いかけて認証し続けるため、自由で快適な移動を実現する。従来の改札機に代わり、動線にしばられない入場ができるので、大規模駅での混雑緩和に貢献する。
ポイントは、1台のカメラで1分間に100名以上の同時認証が可能。ウォークスルーで混雑を緩和し、快適な入出場を実現する。物理的な境界が無くなり、駅ナカの利用促進に貢献する。
同システムを使えば、ユーザーは認証デバイスにICカードをタッチしたり、決められたレーンに並んだり、顔をカメラに向けたりするような動作をする必要がない。ただカメラが撮影するエリアを通り抜けていくだけでよい。デモンストレーションでは、頭上には赤や青の光が点灯する横長のビジョンがある。通路の地面には赤や青色が光るライン(平面)があってそこで認証されたかどうかわかる。赤はNGで通過してはいけない。
「人影に隠れたり後ろを向いても、頭部や人型が見えれば認識できる。レーンが無くベビーカーも車いすも、大きな荷物を持っていても、誰もが通りやすい」(NEC)。
一方、『ポール型顔認証改札』は、近年の無人駅増加に伴った無人駅での不正乗車抑止にも効果的なシステム。省スペースでの設置が可能な同ゲートは、自動改札機の導入が難しい小規模駅や無人駅の設置に適している。また、需要に応じたフレキシブルな設置・撤去が可能なため、臨時駅への設置といったユースケースにも対応できる。
ポイントは、ディスプレイを通じて利用者に合わせた案内が可能。IC/QRでの通過も可能なマルチデバイス対応。写真や動画を使用した「なりすまし認証」の防止にも対応する。

写真はNECの顔認証改札(ゲートレス型)のデモ

(全文は11月20日付け4面に掲載)

投稿者プロフィール

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。