アンリツがマイクロウェーブ展に出展

マイクロ波技術関連の学術、産業、教育に関する国内最大級のイベント「MWE 2023/マイクロウェーブ展 2023」が11月29日(水)~12月1日(金)にパシフィコ横浜(横浜市西区)にて開催された。主催は一般社団法人電子情報通信学会 APMC国内委員会。後援は総務省。技術者育成のための基礎講座、最先端技術や将来ビジョンを討論するワークショップと、最新の製品開発動向を紹介する展示会(マイクロウェーブ展)をセットで開催することにより、マイクロ波技術に関わる技術者・研究者の人材育成や情報通信関連企業の情報交換の場を提供した。来年は「MWE 2024」としてマイクロウェーブワークショップとマイクロウェーブ展を、2024年11月27日(水)~29日(金)の3日間、パシフィコ横浜で開催する。

アンリツは『6G&IoT社会を実現する通信の未来へ ~「はかる」を超える、ワイヤレステストソリューション~』をテーマに「マイクロウェーブ展 2023」に出展した。4つのテーマ(「Beyond 5G/6G」「オートモーティブ・IoT」「干渉波探索・電波監視」「次世代技術の研究」)で、6G&IoT社会の実現に貢献するテストソリューションを紹介した。同社は、従来の「はかる」を超えた価値や新領域を開拓し、世界各国の〝お客様〟とともに、最新通信技術を基盤とする便利で快適なIoT社会の実現に貢献している。展示では、IoT社会の形成に不可欠なワイヤレス通信技術に関わる『評価ソリューション』を紹介した。
「Beyond 5G/6G」コーナーのうち『5Gミリ波反射板の精密な評価』の展示では、モジュールベクトルネットワークアナライザ「ME7869A」を紹介した。5Gの高速/大容量・低遅延・多接続の実現にはミリ波の活用が不可欠だが、ミリ波は直進性が高いため見通しの悪いエリアへ到達しないという課題がある。その解決に反射板の研究が進んでいる。メタサーフェス技術などで反射角度を制御する反射板の評価に、テストポートを自由に配置できるモジュールタイプのベクトルネットワークアナライザを提案した。反射板の性能を評価する際には、マルチパスや直接波の影響を分離するためベクトルネットワークアナライザのタイムドメイン機能を推奨している。
「ME7869A」の特長は▽テストポートを分離したモジュール構造のベクトルネットワークアナライザ▽テストポートケーブル不要で被測定物へダイレクト接続▽最大100㍍離してもダイナミックレンジに影響無し▽マルチパスを除いた反射板の真の特性を評価―など。
「オートモーティブ・IoT」コーナーのうち『IEEE802・11be (Wi―Fi7) 対応無線LAN機器の送信/受信の性能評価』の展示では、ワイヤレスコネクティビティテストセット「MT8862A」を紹介した。

写真は アンリツのブース

(全文は12月20日付4面に掲載)

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。